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優先交渉権で鴻海主張と食い違い

シャープとのトップ会談を終え、報道陣に囲まれ合意書のサインを見せる鴻海精密工業の郭台銘会長(中央)=大阪市阿倍野区で2016年2月5日午後5時40分、幾島健太郎撮影

 経営再建中のシャープに7000億円規模の買収を提案している電子機器受託製造大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長は5日、大阪市のシャープ本社を訪れて高橋興三社長と会談し、今月29日までの最終契約を目指すことを確認した。会談後に報道陣の取材に応じた郭会長は「(正式契約まで)ほとんど課題はない」と自信を見せた。

 関係筋によると、シャープ側は担当者が台湾を訪れる意向だったが、早期決着を目指す郭会長が急きょ来日。高橋社長との協議は約8時間に及んだ。シャープ買収に向けての本気度を示した形だが、両者が食い違う場面もあった。

 郭会長は報道陣に「今日は優先交渉権の合意書にサインした」と語り、合意書を示したが、シャープは「そのような事実はない」と否定。合意書の内容を「最終的な契約条件の協議を誠実に継続する」「買収提案の有効期限は2月29日」の2点とし、官民ファンドの産業革新機構との協議も続ける姿勢を示した。

 また、郭会長は主力事業の切り売りについて「赤字の主要因の太陽電池以外はするつもりはない」と強調。従業員の雇用については「40歳以下の若い社員の人員削減は行わない」と述べた。

 シャープ側は会談で、主力事業を切り売りせずに一体で再建する方針や、雇用の維持、液晶などの独自技術が海外に流出する恐れがないか、などを改めて郭会長に確認したとみられる。

 革新機構も3000億円規模の出資を提案したが、シャープは、支援額が大きく、事業を切り売りせずに一体で再建するとした鴻海案を高く評価した。【宇都宮裕一、古屋敷尚子】

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