メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

露正教会の総主教と12日会談 東方外交展開

 【ローマ福島良典】キリスト教カトリックのトップであるフランシスコ・ローマ法王が、過激派組織「イスラム国」(IS)対策でロシア側と連携すると同時に、断交中の中国に秋波を送る「東方外交」を展開している。今月12日にロシア正教会のキリル総主教と法王として史上初めて会談し、中東のキリスト教徒保護で共同歩調を打ち出す見通し。中国の習近平国家主席には、8日の春節(旧正月)を前に、関係改善を促すメッセージを送っている。

     バチカン(ローマ法王庁)のロンバルディ報道官は毎日新聞の取材に「カトリック信徒も正教徒も中東の宗教少数派として暴力の犠牲になっている」と指摘。ISの迫害からシリアやイラクのキリスト教徒をいかに守るかが東西教会トップ会談の主要議題になるとの見通しを示した。

     法王は2013年秋、ロシアのプーチン大統領と連携する形で米仏のシリアに対する好戦的な姿勢をけん制し、アサド政権に対する軍事攻撃の回避に向けて国際反戦世論を主導した。

     陣営を問わずシリア領空爆には反対を唱えているが、「信徒の安全保障」が使命の法王は、ISを「神の名を借りた人殺し」と糾弾し、国際社会に断固たる行動を促してきた。

     法王は東方正教会の精神的支柱、コンスタンチノープル総主教とは良好な関係を維持しているが、本格的な和解には正教会最多の信徒(推定約1億人)を擁するロシア正教会との対話が不可欠だ。ローマ第3大学のカルロ・カルディア教授は「中東における教会の苦境が両トップの会談実現を後押しした」と解説する。

     一方、中国に関して法王は2日、香港に拠点を置くインターネット英字紙「アジア・タイムズ」とのインタビューで中国を「知恵尽きぬ大文明」とたたえ、国際社会に対中対話を促した。インタビューしたイタリア人コラムニストのフランチェスコ・シシ氏(55)は「法王は中国が文化間対話で重要な役割を果たせると考え、対中関係改善に関心を持っている」と説明する。

     インターネット紙ハフィントン・ポストのバチカン専門記者、ピエロ・スキアバッツィ氏(57)は「プーチン体制は完全な民主主義ではないが、法王はウクライナをロシアの内政問題ととらえ、口出ししていない。そのため、中国は法王が自国の内政には干渉しないと踏んでいる」と分析。一連のバチカン外交で、法王のロシア、中国訪問の可能性が高まったとみる。 

     ただ、中国のカトリック教会内には、バチカンの性急な対中接近を「信教の自由や人権が置き去りにされる」と警戒する声もある。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ゴッホ 14年前に盗まれた2作品発見…ナポリ近郊で
    2. 女性遺体発見 青森の母「家族気遣う優しい娘」
    3. 大阪駅前 スッキリ!…バスターミナル、新歩道橋が完成
    4. 読みトク!経済 サラリーマン1年生・なるほドリーマン君 ホンダジェットなぜ参入?=回答・永井大介
    5. 長谷川豊アナ 「降板まで発展するとは夢にも思いませんでした」

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]