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北朝鮮ミサイル 暴走止める体制を作れ

 北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルの発射実験を強行した。「弾道ミサイル技術を利用したすべての発射」を禁じた国連安全保障理事会決議に明確に違反している。

     先月の核実験に続く国際社会への挑戦であり、決して許されない軍事的な威嚇である。

     衛星打ち上げの技術は弾道ミサイルと同じだ。北朝鮮による長距離ミサイルの発射は、1998年に日本の本州を飛び越えて太平洋に落下したテポドン1以降、今回で6回を数える。この間にミサイル技術が着実に向上してきたと考えるべきだ。

     看過できないのは、北朝鮮が発射後の発表文で「より多くの衛星を今後も大空に打ち上げる」と予告した点である。国際社会を無視した行動を続けると宣言したに等しい。

     北朝鮮は「宇宙の平和利用」だと強弁するが、核兵器の開発を公然と続ける国にそんな言い分は認められない。弾道ミサイルは、北朝鮮が固執する核兵器の運搬手段である。

     北朝鮮が今回の発射を予告したのは、中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が訪朝した日だ。発射は中国が重視する旧正月の前日だった。最近の北朝鮮は、後ろ盾である中国に対してすら挑発的な態度が目立つ。

     中国は北朝鮮の体制不安定化や崩壊を望んでいない。金正恩(キムジョンウン)第1書記はそうした中国の足元を見透かしているようだ。

     北朝鮮のミサイルで直接的な脅威にさらされているのは日本である。北朝鮮はすでに日本全土を射程に収めるノドン・ミサイルを大量に配備している。ミサイル技術の全般的な向上は日本にとっての脅威をさらに強めることにつながる。

     北朝鮮がいま開発しているのは射程1万キロを超える大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ。米大陸への脅威を作り出して米国を交渉の場に引き出そうと狙っているのだろう。

     日本政府は独自の対北朝鮮制裁に踏み切る方針だ。当然の対応であろう。さらに国連安保理は実効性のある制裁決議案を早期に採択し、国際社会としての意思を示さなければならない。

     ただ、過去に科されてきた安保理制裁は、北朝鮮の行動を改めさせることはできなかった。中国が強力な制裁に消極的な姿勢を貫いてきたことが大きい。

     制裁は必要だが、それだけでは北朝鮮の暴走を止められない。より根本的には、北朝鮮を多国間の協議に参加させ、冒険主義的な行動を放棄するよう誘導する必要がある。

     それは日本独力で成し遂げられることではない。北東アジアの情勢に影響力を持つ米中両国とともに体制作りを急がなければならない。

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