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旅行収支53年ぶり黒字 訪日客増を反映

経常、旅行収支の推移

 財務省が8日発表した2015年の国際収支速報によると、旅行者のお金の出入りを示す旅行収支は1兆1217億円の黒字だった。暦年での黒字は1962年以来53年ぶりで、訪日外国人旅行者数の増加を反映した。一方、旅行を含めた海外とのモノやサービス、投資などの総合的な取引状況を示す経常収支は16兆6413億円の黒字。黒字幅は14年の6倍強と10年以来5年ぶりに拡大し、東日本大震災前の水準近くまで回復した。

     旅行収支は、訪日外国人が日本で使った金額から日本人が海外で使った金額を差し引いた額。15年の訪日外国人旅行者数が1973万7400人と過去最高を記録する中、黒字に転じた。前回黒字だった62年当時は日本人の外国旅行が制限され、統計基準も現在と異なるため単純には比べられないが、中国人旅行客の「爆買い」などの活発な消費が収支改善を後押しした形だ。

     知的財産権等使用料も2兆4034億円の黒字で、黒字額は比較可能な96年以降で過去最大となった。これらにより、輸送や海外旅行などに伴う資金のやりとりを示すサービス収支全体では1兆5628億円の赤字と赤字幅が14年比1兆5173億円縮小し、96年以降で過去最小となった。

     一方、15年の貿易収支は6434億円の赤字。赤字は5年連続だが、赤字幅は過去最大を記録した14年(10兆4016億円)より大幅に縮小した。原油相場の下落を主因に、輸入額が14年比10.3%減の75兆8207億円と6年ぶりに減少した一方、輸出額は北米向け自動車や半導体などがけん引し、1.5%増の75兆1773億円と3年連続で増加した。

     海外子会社から得られる配当や利子などの収入を示す第1次所得収支の黒字額は14.7%増の20兆7767億円。85年以降で過去最大となった。日本企業の海外投資が活発化する中、外国にある資産を円換算した金額が円安で膨らんだことなどが影響した。

     同時に発表された15年12月の経常収支は9607億円の黒字。黒字は14年7月以降18カ月連続。原油安などで貿易収支が黒字に転じ、旅行収支が12月として過去最大となった。【和田憲二】

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