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「72時間」過ぎ懸命の救出活動 重機使用も

クレーン車でがれきを撤去した後、救助活動が続けられる雑居ビルの倒壊現場=台湾台南市で2016年2月8日午後10時59分、鈴木玲子撮影

 【台南(台湾南部)鈴木玲子、林哲平】台湾南部で起きた地震は9日、発生から4日目を迎えた。生き埋めになった人の生存率が著しく下がるとされる「発生後72時間」を同日午前3時57分(日本時間同4時57分)に過ぎ、死傷者が集中している台南市永康区の16階建て雑居ビルの倒壊現場では、夜を徹して救出活動が続いた。全土での死者は40人、負傷者は約540人に上っている。

 倒壊ビルの現場からは8日夜までに約200人が救出されたが、今なお約110人が閉じ込められているとみられている。これまでは、がれきの隙間(すきま)から手作業で救出作業を続けていたが、台南市当局は8日夜、重機によるがれきの撤去を開始。大型クレーンで巨大なコンクリート片をつり上げ、取り除いた。その後、3カ所で生存者のいる可能性が分かった。

 そのうちの1カ所では、母子2人が埋まっているのが確認され、家族らが祈るように現場を見守った。救助隊員が前へ進み、かき出したがれきをバケツリレーで運び出す。電灯を照らして中の様子を確認しながら、慎重に作業を続けた。

 だが9日未明、2人の死亡が確認された。母親の頼恵珊さん(27)は4歳の息子の呉※1※2(ご・いんけい)君を抱きかかえた状態で発見された。「一緒にしてあげて」。救急車で搬送する際、周囲にいた人々から上がった声に、救急隊も2人を一緒に乗せた。

 また、義理の両親の行方が分からない孫銘さん(32)は「これだけの人が作業に関わっているのに。自分で捜したい」と話した。

 発生から72時間後、現場では頼清徳市長が記者会見。他の2カ所の捜索を急ぐと共に、今後も一部で重機を使って行方不明者の捜索を続ける方針を示した。

 ※1は「均」の土ヘンの代わりに日ヘン。※2は王ヘンに景

中山伸一・兵庫県災害医療センター長の話

 72時間を超えると生存率が大きく下がるとされるが、救命できるかどうかは、閉じ込められた環境や年齢、持病があるかなどによって一人一人異なる。例えば、足など体の一部が6時間以上がれきなどに圧迫されることで「クラッシュ症候群」を発症し、救出されても救命率が下がる懸念もある。一方、運よくがれきの隙間(すきま)にいたり、水分を少しでも取れるようなところにいたりすれば救命の可能性はある。がれきの撤去に重機を使う場合は、閉じ込められているとみられる場所に到達するルートを、生存者に危険を及ぼさないように確保できるかが課題だ。

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