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富士重工社長とモンベル会長を表彰

第36回毎日経済人賞贈呈式で握手をする受賞者の吉永泰之・富士重工業社長(右)と辰野勇・モンベル会長兼CEO=東京都文京区のホテル椿山荘東京で2016年2月8日午後2時46分、内藤絵美撮影

 第36回「毎日経済人賞」の贈呈式が8日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開かれ、受賞した富士重工業の吉永泰之社長と、アウトドア用品大手、モンベルの辰野勇会長の2人に、朝比奈豊・毎日新聞社社長から賞状が贈られた。

     毎日経済人賞は、優れた経営手腕で経済界に新風を吹き込んだ経営者をたたえる。富士重工業の吉永氏は「スバル360」以来続いた軽自動車からの撤退を決断し、北米市場で人気が高いスポーツタイプ多目的車(SUV)に注力。この大転換が奏功し、2016年3月期決算は過去最高益を更新する見通し。世界年間販売台数100万台も射程に入った。

     経済人賞の選考委員座長を務めた福川伸次・東洋大理事長は「選択と集中で新しい『スバル』のイメージを作りあげた」と経営手腕を高く評価。吉永氏も「軽自動車の生産をやめて本当にうまくいくのか、怖くて怖くてしかたがなかった」と重い決断を下した当時の心境を披露した上で、「この道しかないと思い定めたら、迷うことなく進むだけだ」と経営者としての心構えを強調した。

     日本屈指の冒険家として知られる辰野氏は1975年に「モンベル」を設立。自身の経験に加え、ユーザーの視点を生かしたアウトドア用品を次々提供。過酷な自然環境に身をさらす登山家ら多くのアウトドア愛好家の熱烈な支持を集めている。

     東日本大震災では発生直後からアウトドア経験者を組織して支援活動を展開し、日本初の身障者カヌー大会の開催など「社会活動に尽力してきた」(朝比奈社長)点も高く評価された。辰野氏は健康長寿への貢献や地域活性化の支援など「アウトドアが果たす使命は大きい」と活動の一層の拡大を誓った。

     贈呈式では、第56回毎日芸術賞に輝いた書家、船本芳雲氏が揮毫(きごう)した、それぞれの座右の銘も贈られた。吉永氏は、妄想を捨て、真理を追究する「莫妄想」、辰野氏は「一番道を分かっている馬に身をゆだねる」(船本氏)という思いのこもった「馬なり道なり」を選んだ。

     贈呈式後の祝賀パーティーには、解剖学者の養老孟司さんら多くの来賓が出席し、オカリナ奏者の宗次郎氏は透明感のある演奏で両氏の受賞に花を添えた。吉永氏をよく知る大手広告代理店、アサツーディ・ケイの植野伸一社長は「技術だけではなく、車で移動する安心感、楽しさを提供するのがスバルだ」と祝辞を寄せ、辰野氏と親しい作家の椎名誠氏は「海外に出ていろんな冒険、活躍をしろと、辰野さん、モンベルに励まされて世界に雄飛する若者がたくさん出てくるはずだ」と日本人の冒険心を支えてきたモンベルの役割の大きさを強調した。【赤間清広】

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