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群馬、栃木、埼玉…境界線確認、新観光スポットに

群馬県が据えた標柱にポールを立て、3県境を確認する3市町の関係者たち。左手前が埼玉県、中央奥が群馬県、右側が栃木県=3県境で2016年2月9日、阿相久志撮影

群馬県板倉町、栃木市、埼玉県加須市の3市町が合同で

 あいまいだった群馬、栃木、埼玉の3県境を画定しようと、群馬県板倉町、栃木市、埼玉県加須市の3市町が9日、合同で境界線を確認した。地権者が立ち会ったが争いもなく、各県に報告し3月上旬にも手続きを終えて固定される見通し。平野部の地面上で3県境が接するのは全国的にも珍しく、近くの渡良瀬遊水地や各市町の観光スポットをつなぐ地域振興の結節点として活用するという。【阿相久志】

 3県境は、渡良瀬第一貯水池(谷中湖)の南西側にあり、板倉町海老瀬、栃木市藤岡町下宮、加須市小野袋で接している。もともと県境をなしていた渡良瀬川が明治時代の足尾銅山による鉱毒被害を受けて流路変更され、沼地になった県境地域が埋め立てられて陸地となったという。一帯はその後、水田として利用され、Y字型に走る用水路が県境とみなされてきた。

 この日の作業では、用水路の接点で、積み重なった泥を取り除いて目印の標柱をあらわにし、3県の接点と確認した。この標柱は、1980年に群馬県が終えた区画整理事業に際し、県境の確認用に据えた。その後、泥に埋まっていたという。新たな標柱に交換し、確認しやすくする。

 今回の3県境確認を受け、板倉町産業振興課の遠藤進課長補佐は「2市と提携して周辺を整備し、集客の拠点として観光客の周遊を促したい」と波及効果に期待を寄せる。加須市もすぐ近くの「道の駅きたかわべ」とつないだ観光資源としての活用を検討。栃木市も、茨城を含め4県を短距離でまたぐ県道9号線と合わせた「パワースポット」として売り出したい考えだ。

 「ググっとぐんま観光宣伝推進協議会東部地域部会」が2月上旬から配布する群馬県東部地域の観光ガイドブック「味旅(みたび)」でも、板倉町の提案で「日本でここだけ! 奇跡の“3県境”」と銘打ち、新たな観光スポットとして紹介している。

 3県境目当てに訪れる人たちのため約20年前から手製の案内板を設置している栃木市藤岡町側の地権者、古沢満明さん(82)は「魅力度ランキングでいつも低位にある北関東が有名になるきっかけになればいい。もっと人がたくさん来て、にぎわってほしい」と笑顔を見せる。

 一方で戸惑う地権者もいる。板倉町側の水田でコシヒカリを栽培する男性(61)=加須市在住=は、親の代に沼を埋め立てて区画整理した際、たまたま割り当てられた土地だという。3県境が話題を集めることに「にぎやかにならない方がいいのだが……。もの好きがいるもんだな」と苦笑いしていた。

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