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長崎市教委

全児童の情報をデータ化 進学先引き継ぎへ

 長崎市教委は4月から、市立小中学校の全児童生徒の指導上の課題やいじめの状況、発達障害などの情報を電子データ化し、学年間や進学先の学校への引き継ぎを始める。全国的にも珍しい取り組みで、市教委は「情報を共有し、児童生徒を支援するため」と説明する。一方、現場の教職員から「子供にとって負の情報が引き継がれ『レッテル貼り』につながるのでは」と懸念の声も上がっている。

 市教委によると、電子データ化するのは、成績などの他、いじめの状況▽リストカットなど自他の命に関わる行動▽性に関する問題▽動物虐待−−など生徒指導上の課題も含まれる。更に、比較的軽度の障害を持った子供が学ぶ通級指導の利用歴などに加え、「深夜労働」など保護者に関する項目もある。

 従来は、法定の指導要録の内容の他、必要な子供の情報は口頭や文書で引き継いでいたが、定まった形式はなかった。2013年にいじめを受けていた同市立小6年児童が自殺した問題で、外部調査委が「生徒指導に生かすための詳細な記録作りが必要」と指摘したことを受け、統一的な形式で引き継ぐことにした。市立中に進学する場合は全児童のデータを引き継ぎ、中学から高校へは課題を抱える生徒だけを対象にする。

 市個人情報保護条例では、本人からの情報収集が原則だが、市教委は、指導、相談などの場合を例外とする規定を適用すれば問題ないと判断した。しかし、同市立小の50代男性教諭は「必要な子供の引き継ぎは徹底しなければならないが、先入観を持って子供を見ることにつながり、全ての子供を対象にする必要はない。情報漏えいの恐れもある。どんな項目が子供のためになるのかをもっと精査すべきだ」と語る。

日本女子大の坂田仰(たかし)教授(公教育制度論)の話

 教育的な視点から見ると、引き継がれる情報が多いほど個に応じた指導ができる。一方、例外規定を使って情報を引き継ぐのは形式的には市個人情報保護条例に違反していないが、本来の条例の趣旨からすれば粗っぽいやり方だ。学校と保護者がもっと話し合い、合意しながら進めていくのが望ましい。【樋口岳大】

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