福島市の伝統行事「信夫三山暁まいり」が10日、2日間の日程で始まった。今年は雪が吹きすさぶ中、白い法被姿の男女約100人が長さ12メートル、重さ2トンの大わらじを担いで市内を練り歩き、信夫山頂上近くの羽黒神社に大わらじを奉納した。
暁まいりは五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全、健脚を祈る行事で、江戸時代から300年以上続くとされる。今年も市内のわらじ製作者がわらを骨組みに巻き付け、約2週間かけて大わらじを製作した。
この日は午前9時から、市民らが大わらじを担ぎ同市御山のわらじ製作所を出発。ホラ貝と太鼓の音に合わせ「ワッショイ」の声をあげながら羽黒神社までの約10キロの道のりを運んだ。今年は市内七つの小学校の児童がリレー形式で「子供わらじ」(長さ2・5メートル、重さ70キロ)二つを運び、沿道からは声援が飛んでいた。
担ぎ手を務めた福島市中町の田中富幸さん(40)は「わらじは重いが、みんなで一緒に運ぶのは楽しい。大人も子どももそれぞれ運ぶことで地域に一帯感も生まれる」と話していた。【宮崎稔樹】