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イエレン議長、追加利上げに慎重

議会証言 下振れリスクに強い警戒感

 【ワシントン清水憲司】米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は10、11日の議会証言で、海外経済の減速など下振れリスクに強い警戒感を表明した。金融市場の混乱が続けば、「米経済の見通しを圧迫する恐れがある」と述べ、昨年12月の段階で今年中に「4回」と想定した追加利上げのペースを遅らせると示唆した。また、FRBが過去にマイナス金利の導入を検討したものの、市場への影響が大きすぎるとして見送ったことも明らかにした。

 「海外経済の動向が、米国の経済成長にリスクをもたらしている」。イエレン氏は世界経済の減速懸念を背景にした市場の混乱が、株価下落やドル高を通じ、米経済に悪影響を与えかねないと警戒感をあらわにした。人民元相場の下落が中国経済の先行き不安を強めたり、原油安が新興国や資源国の金融情勢を緊迫化させたりするなど懸念材料を次々に挙げ、「リスクが現実になれば、市場環境がさらに厳しくなる」として、世界経済が悪循環に陥る恐れにも言及した。

 一方、米国が景気後退に向かう可能性を問われたイエレン氏は「利下げが必要な状況に、直ちに至るとは想定していない。雇用市場は改善を続けている」と述べ、米経済は回復軌道を外れていないと強調した。ただ、「海外の金融動向は経済を減速させる恐れがある。結論を急ぐことには慎重でいたい」とも述べ、景気判断や利上げペースについて慎重に検討する考えを示した。

 また、欧州に続き日銀がマイナス金利を導入したため、議員からはFRBの方針に質問が相次いだ。イエレン氏は、追加金融緩和の手段を探っていた2010年にFRBがマイナス金利導入を検討したことを明らかにしたうえで、「金融市場に与えるインパクトを心配」して、採用しなかったと説明した。ただ、今後も状況の変化に応じた選択肢の一つであるとの考えも示した。

 FRBの金融緩和は、株価など資産価格の上昇をテコに個人消費を促して景気を回復させただけに、長引く市場の混乱で景気減速への警戒感が徐々に広がっている。こうした懸念を背景に、市場では、利上げが3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で見送られるだけでなく、年内は可能性が低いとの見方が強まっている。

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