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重力波観測 宇宙への新しい窓開く

 アインシュタインが100年前に予言した重力波の観測に米国を中心とする国際チームが世界で初めて成功したと発表した。重力波は質量のあるものが運動する時に生じるが、その効果は極めて小さく、検出は非常にむずかしかった。

     重力波の検出はアインシュタインの一般相対性理論の検証にとどまらない。ブラックホールの誕生や超新星爆発の中心部の様子など、可視光やエックス線、電波など従来の手法では見ることのできなかった宇宙の現象が観測できるようになる。誕生直後の宇宙の観測にもつながる。

     ガリレオが初めて望遠鏡を宇宙に向けた時と同じように、宇宙観測の新しい窓を開く第一歩であり、今後の「重力波天文学」の発展に期待したい。

     一般相対性理論によれば質量をもった物体が存在すると周囲の時空がゆがむ。物体が運動すると、このゆがみがさざ波のように宇宙空間を光速で伝わっていく。これが重力波で、間接的な証拠はあったが、直接観測されたことがなかった。

     今回、観測に成功したと公表したのは、米国など15カ国から1000人以上の科学者が参加する国際チームだ。13億光年かなたで二つのブラックホールがお互いの周りを回りながら合体する時に発した重力波を、米国内の2カ所に設置した検出器「LIGO」でとらえた。

     初観測であり、さらなる検証は必要だが、ほぼ同時に2カ所で同様の信号が観測されたこと、理論によるシミュレーションとよく合っていることを考えると、証拠は十分といっていいだろう。

     LIGOと基本的に同じ仕組みで重力波をとらえる装置には、欧州チームがイタリアに建設した「VIRGO」、日本が岐阜県飛騨市の旧神岡鉱山の地下に建設中の「KAGRA」がある。LIGOの成果は、この仕組みで重力波が検出可能であることを示すもので、他の装置にとっても朗報だ。

     今後、観測装置が増えることで、重力波の発生源を特定できるだけでなく、発生源のさらに詳しい情報も得られる。初検出で先を越されても、他の装置の意義が減るわけではない。2017年度に開始するKAGRAの観測にも期待したい。

     LIGOの記者会見では、この計画に資金提供してきた米国立科学財団代表が「私たちはこうした先駆的研究に大きな資金を拠出するリスクを取り、基礎科学を支援している」と述べた。重力波の検出は日常生活に役立つものではないが、人類の知的好奇心に応える意義は大きい。若者が基礎科学に関心を抱くきっかけにもなってほしい。

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