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東西教会トップ初会談…ISからの迫害阻止

 【ローマ福島良典、モスクワ杉尾直哉】キリスト教カトリック教会の頂点に立つフランシスコ・ローマ法王(79)と、ロシア正教会最高位のキリル・モスクワ総主教(69)が12日、キューバの首都ハバナの空港で約2時間会談した。両教会トップの会談は史上初。両者は共同宣言に署名し、過激派組織「イスラム国」(IS)によるキリスト教徒迫害に危機感を表明するとともに、中東からのキリスト教徒「追放」と「新たな世界戦争」を阻止するよう国際社会に要請した。

     カトリックと東方正教会は1054年に分裂した。各国の東方正教会の中で、ロシア正教会は1億人以上の信徒を擁する最大組織。法王と総主教は初会談で、和解と協力に向けての歴史的な一歩を踏み出した。

     共同宣言で両者はキリスト教徒が「中東・北アフリカの多くの国で根絶やしになっている」と懸念を表明。シリア内戦終結に向け国際社会が「暴力とテロの停止」と「対話を通じた平和」に取り組むよう呼びかけた。

     ウクライナ紛争については国内のキリスト教徒に敵対行為への不参加を求め、正教会信徒の「平和と調和」にカトリック側が協力するよう促した。シリア内戦とウクライナ情勢でロシアの軍事介入への批判はなく、プーチン露大統領に配慮した内容になった。

     共同宣言への署名後、総主教は「世界のキリスト教徒を守り、戦争を回避するために両教会が協力することで一致した」と述べた。法王は会談で総主教と手を取り合い、「私たちは兄弟だ」と語りかけた。

     東西教会では1964年の法王と、東方正教会の精神的支柱、コンスタンチノープル総主教の会談をきっかけに和解の取り組みが進んだ。だが、ロシア正教会はカトリックによる旧ソ連諸国での宣教に反発、ウクライナを巡る対立もあり、関係改善が進まなかった。

     今回のトップ会談は2年間の秘密交渉の末に実現した。フランシスコ法王は一昨年5月、エルサレム訪問時にコンスタンチノープル総主教と合同で祈りをささげたが、今回、宗教儀式はなかった。

    フランシスコ・ローマ法王

     1936年12月、アルゼンチン・ブエノスアイレスのイタリア系移民一家の生まれ。イエズス会アルゼンチン管区長などを経て2013年3月、前法王ベネディクト16世の生前退位に伴う法王選挙会議でカトリック史上初の中南米出身法王に選出。社会的弱者に寄り添う「貧者の教会」路線を掲げる。

    キリル・モスクワ総主教

     1946年11月、レニングラード(現サンクトペテルブルク)出身。スモレンスク・カリーニングラード府主教などを歴任。アレクシー2世総主教の死去に伴い、2009年1月、第16代総主教に選出され、同年2月に就任。親しい関係にあるプーチン露大統領を「決断力のある指導者」として全面支持する。

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