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「ヤクザと憲法」裏社会追う異色作

映画に込めた思いを語る阿武野勝彦プロデューサー(左)と土方宏史監督=大阪市で、花澤茂人撮影

 大阪を舞台に、指定暴力団に密着したドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」が13日午後、第七芸術劇場(大阪市淀川区)で公開される。裏社会に居場所を求める人たちの素顔に正面から迫った異色作。既に上映中の東京などでは、ほぼ連日満席の盛況ぶりだ。

     東海テレビが製作。今年度の毎日映画コンクール(ドキュメンタリー部門)にもノミネートされた。

     「ヤクザは追い詰められている」。愛知県警で事件担当記者だった土方(ひじかた)宏史監督(40)は、数年前に捜査員からそんな話を聞いた。「実は社会の底辺にいるのかもしれない。もしそうなら多くの人が現状を知るべきだと思った」

     取材に応じた「二代目東組二代目清勇会」(堺市)とは、謝礼は払わない▽収録テープなどを事前に見せない▽モザイクは原則かけない−−と取り決めた。2014年8月から約半年間、撮影した。

     組員が取引らしきことをする場面に出くわし、土方さんが「クスリ(違法薬物)ですか」と問うと、組員が「想像に任せる」とはぐらかすなど際どい場面が続く。一方で「銀行口座が作れない」「子どもが幼稚園への通園を断られた」など行き場所のない苦悩を訴える声も聞かれた。

     ジャーナリストの青木理さんは、親分が「(ヤクザをやめても)どこが受け入れてくれる」と監督に聞く場面に触れ、「その通り。なぜヤクザが生まれ、社会は彼らをどう受け止めるかを問いかける映画だ」と話す。

     阿武野(あぶの)勝彦プロデューサー(57)は「ヤクザを肯定はしない。だが、現代は嫌なものを排除し、たたけると思ったらどこまでも追い詰める『バッシング社会』になっている」と指摘する。タイトルの「憲法」は法の下の平等を定めた14条を意識した。「バッシングの構造は熱狂の構造で戦争につながりやすい。9条以外にもいろんな形で憲法が軽んじられていると感じてほしい」【花澤茂人】

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