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鉄鋼、造船など月額4000円の賃金改善求める要求

春闘要求を佐藤博恒・新日鉄住金常務執行役員(右)に提出する新日鉄住金労働組合連合会の大森唯行会長(左)=東京都千代田区の同社本社で2016年2月12日、種市房子撮影

 鉄鋼、造船など基幹労連傘下の労働組合は12日、2016年春闘の要求書を経営側に提出し、月額4000円の賃金改善を求めた。自動車や電機を含め、大手企業は3月16日に集中回答日を迎える。過去2年、大手企業は賃金を底上げするベースアップ(ベア)を実現してきたが、中国経済の減速で鉄鋼業界などの業績が悪化しているほか、足元では急激な円高と株安が進行。今春闘では賃上げへの逆風が強まっている。

 新日鉄住金では12日午前、同労組連合会の大森唯行会長が佐藤博恒常務執行役員に要求書を提出。大森会長は「中国メーカーの過剰生産で、国内外の鉄鋼市況は大幅に悪化している」と経営環境の厳しさを認めつつ、「組合員の生活を守り、今後の活力発揮につなげる」として賃上げを求めた。

 鉄鋼大手は2年に1度の隔年で春闘の労使交渉を行っており、12日は新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所の各労組が16、17年度でそれぞれ月額4000円の賃金改善を要求した。実現すれば2年で計8000円の賃上げにつながる。三菱重工業や川崎重工業も、16年度で月額4000円の賃金改善を求めた。

 組合要求について、新日鉄住金の佐藤常務執行役員は毎日新聞の取材に対し、「固定的な支出増につながる月例賃金引き上げには慎重に対応すべきだ」と強調。賃上げに消極的な姿勢を示した。

 消極姿勢の背景には、鉄鋼業界の業績低迷がある。北米市場での販売が好調な自動車業界とは異なり、鉄鋼メーカーは中国経済の減速の影響をもろに受けている。

 生産過剰に悩む中国の鉄鋼メーカーが東南アジアなどへの輸出を加速した結果、世界的に鉄鋼の市況が悪化、新日鉄住金は16年3月期で経常利益を前年同期比55.7%減の2000億円、最終(当期)利益を同34.7%減の1400億円と大幅な減益を見込んでいる。

 進藤孝生社長は2月1日の記者会見で「中国の過剰生産で世界の鉄鋼製造業はほとんど赤字。事業環境が厳しくなっている」と強調。年明け以降の株安と連鎖する形で世界経済が減速すれば、さらなる業績低迷の恐れもある。

 春闘で安倍政権が経済界に賃上げを強く要請する「官製春闘」は今年が3巡目。政府だけでなく、日銀もデフレ脱却に向けて賃上げの実現を強く求めている。しかし、企業業績の先行き懸念が強まり、春闘での賃上げも不発に終われば個人消費の低迷に直結しかねない。国内景気の動向を占う上でも、今後の大手企業の春闘回答に注目が集まりそうだ。【種市房子】

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