メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

割高な「初乗り」引き下げの効果実験へ

国内外各都市のタクシーの初乗り料金と初乗り距離

 国土交通省がタクシーの初乗り料金を引き下げる方向で検討している。訪日外国人観光客が急増するなかで、海外の主要都市と比べた日本の初乗り料金への割高感が強まっているためだ。ただ、引き下げはタクシー会社の大幅な減収につながる可能性があるため、2016年度に実証実験を行って効果を検証する。

     東京ハイヤー・タクシー協会の調査では、全利用者のうち27%が初乗り料金内での利用で、その平均移動距離は1.41キロにとどまる。外国人観光客以外にも、高齢者の買い物や通院など、近距離移動の需要が増えている実態もある。

     実験では、国交省がタクシー会社に呼びかけ、手を挙げた会社に実際に引き下げて営業してもらう。実験の期間や引き下げの幅などの詳しい条件は、今後、有識者会議で詰める。

     ただ、引き下げはタクシー会社の減収につながりかねない。東京23区ではほとんどの会社が採用する「2キロまで730円」の初乗り料金以外に、「1.72キロまで640円」の選択肢もあるが、それを選ぶ会社はわずかだ。

     東京23区では、1997年から5年間、通常運賃の「初乗り2キロまで660円」とは別に、16社が「初乗り1キロまで340円」の体系で営業したことがある。1キロ未満の利用者にはお得感があるためだ。ただ、全タクシーの4%にしか適用されなかったため、あまり知名度が上がらず、減収分を補えるほど乗車回数は増えなかった。結局、全車両が通常の運賃に戻ったという。

     国交省幹部は料金引き下げについて、「潜在需要は大きく、これまでのような値上げしては利用者が減る『負のスパイラル』から抜け出せる可能性がある」と期待を寄せる。料金引き下げで利用者数が大幅に増えれば、売り上げ増につながる可能性もある。【山口知】

    キーワード・初乗り料金

     東京23区と周辺都市のタクシー料金は、「2キロまで730円、2キロ超は280メートル当たり90円加算」が一般的。一方、国土交通省によると、海外では米国ニューヨークの初乗り料金は320メートルまで2.5ドル(280円)、英国ロンドンは260メートルまで2.4ポンド(388円)。初乗り料金を低めに抑えているのが特徴だ。

     国内の初乗り料金は、利用者の利便性とタクシー会社の経営を両立させるために決められている。国交省が全国を638の区域に分け、地域ごとに会社の経営状況を分析、適正な利益が確保できる料金の上限と下限を定める。主な観光都市では、京都が1.7キロまで620円、大阪が2キロまで680円、福岡が1.6キロまで670円だ。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 天皇陛下 来月にもお気持ち表明…生前退位巡り
    2. 無尾翼機 ナウシカ「メーヴェ」よ 白く美しく 大空舞え
    3. 知的障害 通所女性が中絶 「望まない妊娠、再発防止を」 20代男女、施設内で性行為 施設側、認識の甘さ認める /神奈川
    4. GPIF 運用損5兆3098億円…15年度
    5. 業務妨害容疑 施設の破壊予告、無職男を逮捕 神奈川県警

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]