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豪、TPP発効後に撤廃 著作権保護

TPP交渉をめぐる2国間協議に臨む甘利明TPP担当相とオーストラリアのロブ貿易投資相(いずれの肩書も当時)=インドネシア・バリ島のヌサドゥア・ビーチホテルで2013年10月3日、代表撮影

 小説や音楽などの著作権保護期間を第二次世界大戦の敗戦国である日本だけ約10年間上乗せする「戦時加算」について、オーストラリア政府が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の発効後に撤廃する方針を日本政府へ伝えていたことが分かった。TPP参加国のうち、日本に戦時加算を課している豪州、米国、カナダ、ニュージーランド(NZ)の4カ国のうち、政府が撤廃方針を明確に示したのは豪州が初めて。

     NZで4日にTPP署名式が開かれた際、豪州側が戦時加算について「TPP協定が効力を生ずる日以後、権利を行使しないことを決めた」とする内容の文書を日本側に渡した。

     日本はTPP合意により、小説などの著作権保護期間を、作者の死後50年から同70年に延長する。これを踏まえ、更に期間を延長する戦時加算を撤廃するよう求めていた。しかし、戦時加算はサンフランシスコ平和条約で規定され、英仏などTPP参加国以外も適用していることから、見直しには複雑な調整が必要。このためTPP協定に撤廃を盛り込むことは見送られた。

     一方で日本と4カ国は、世界の著作権管理団体からなる国際組織、著作権協会国際連合(CISAC)が2007年、日本が保護期間を作者の死後70年に延長すれば戦時加算をやめるよう各国での働きかけを求める決議を採択していることに着目。合意時に2国間で取り交わした文書で「産業界主導の対話を奨励し、歓迎する」と民間団体の動きを見守ることを確認した上で、「必要に応じて適切な措置を検討するため政府間で会合する」とした。

     このため「実質的に戦時加算は撤廃される見込み」(交渉筋)との見方が強いが、保証はない。豪州が正式に撤廃方針を表明したことに対し、日本の政府関係者は「政府の表明は重みがある。戦時加算の解消の確実性が高まる」と歓迎する。ただ、米国などは「政府が日本の要求をのんだと思われる事態は避けたい」との思惑から、あえて撤廃方針は表明せず、民間の動きをにらんで対応する見通しだ。【横山三加子】

     【ことば】戦時加算

     日本が戦争中に保護していなかったとされる戦勝国の著作権者の利益を回復するための制度で、1951年署名のサンフランシスコ平和条約で規定されている。41年12月8日の太平洋戦争開戦から、平和条約の発効(米英仏などは52年4月28日)前日までに著作権が生じていたり、この期間中に著作権を取得した作品が加算対象になる。

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