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裁判終結、広島県が免許申請取り下げ表明

埋め立て架橋案が撤回された鞆港

 広島県福山市の景勝地・鞆(とも)の浦の埋め立て架橋事業を巡り、事業に反対する住民が埋め立て免許差し止めを求めた住民訴訟は15日、広島高裁で控訴審が開かれ、被告で事業主体の県が免許申請取り下げを正式表明した。これに対し、原告側も訴えを取り下げることで合意し、裁判は終結。全国的な景観論争を巻き起こした架橋計画は策定から30年以上を経て、未着手のまま終止符をうつ。

 県は今後、速やかに免許申請取り下げの手続きに入る。訴訟終結を受けて、湯崎英彦知事は記者会見で「長期化したが、鞆地区のまちづくりを進める上で意義があった」と述べた。また代替案として県が示している山側トンネル案について「抜本的解決には町中の交通量を減らす必要があり、トンネル案も含めて取り組んでいきたい」と話した。

 鞆の浦の埋め立て架橋事業計画は県が1983年に策定。景観保全を理由に事業に反対する住民らが2007年4月、埋め立て免許の差し止めを求めて広島地裁に提訴した。同地裁は09年、知事に免許を交付しないよう命じ、住民側が勝訴。判決は「景観利益」を認め、未着手の公共工事をストップする初の司法判断として全国の注目を集めた。

 その後、県は控訴したが、12年6月に湯崎知事が計画の白紙撤回を表明。原告側も訴えを取り下げる意向を示していたが、県は架橋推進派の住民理解が得られていないなどとしたため訴訟が続いていた。【菅沼舞、石川将来】

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