メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

マイナス金利開始 短期金利0%に低下

マイナス金利の効果と懸念

 日銀は16日、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部の金利をマイナス0.1%とする政策を初めて実施した。「日銀にお金を預けると損をする」という異例の政策で幅広い金利を押し下げ、投資や消費の底上げを図る狙い。銀行が手元資金を貸し借りする市場では早速、短期金利の代表的な指標となる「無担保コール翌日物金利」が一時、2006年2月以来10年ぶりに0%まで低下した。ただ、金融機関の収益悪化や預金金利の低下など副作用も懸念される。

 中央銀行によるマイナス金利の導入は、欧州中央銀行(ECB)、スイス、デンマーク、スウェーデンに続き、世界で5例目。日銀は毎月16日から翌月15日までの当座預金の平均残高に対し金利を付けている。マイナス金利は、この期間に増えた分の当座預金に適用される。日銀によると、金融機関が日銀に預けている当座預金の総額は約250兆円だが、マイナス金利が適用されるのは当初は10兆円程度という。

 「無担保コール翌日物金利」は、13年4月に異次元緩和政策が導入されるまで、日銀の金融政策の目安となる政策金利だった。日銀は、この金利を上げ下げすることで長期金利にも影響を及ぼす政策を取っており、06年3月に当時の量的緩和政策が終了する直前まで、0%か小幅なマイナスで推移する期間があった。

 同金利は前日までは0.07%前後で推移していたが、マイナス金利実施の影響で低下。金融機関は、日銀にお金を預けるだけで0.1%の金利を得ていたため、それ以下の金利で貸し出すメリットはあまりなかったが、日銀にお金を預けると損をする状況になると、金利が付かなかったり、マイナス0.1%よりも小幅なマイナスだったりすれば、日銀に預けるより他の銀行に貸した方がまだ良いため、銀行間で貸し借りする短期金利に低下圧力がかかる。今後はマイナスに転じる可能性もある。

 一方、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは16日午前、0.065%と、前日から0.02ポイント低下した。長期金利は今月9日に史上初のマイナスを記録するなど低水準で推移しており、住宅ローン金利や企業向け融資の金利を引き下げる動きが広がっている。今後は、マイナス金利の効果で設備投資や消費が活性化するかが焦点となる。

 一方、金利の低下は資産運用にはマイナスだ。資産運用会社は国債などで運用する投資信託の販売を停止。銀行は運用利ざやを確保するために相次いで預金金利を引き下げており、三井住友銀行は16日、普通預金金利を年0.02%から過去最低水準の0.001%に引き下げた。家計の利子収入はますます減少しそうだ。金融機関の収益が悪化すれば、企業にお金を貸すリスクを取れなくなって「貸し渋り」に走る懸念もある。【中井正裕】

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 24時間テレビ 裕太容疑者逮捕で前代未聞ドタバタ劇も間に合った
  2. 貧困たたき 新宿で緊急抗議デモ 作家の雨宮処凛さんらも
  3. 埼玉少年殺害 「先輩に言われ蹴った」祖母に後悔の念
  4. 鈴木亜美 夫との“交際きっかけ”詳細語る 松本人志は「とんだ尻軽女」
  5. 中居正広 SMAP解散語らず…さんまは「ファンを大事に」伝える

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]