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「市民参加、評価された」松本に喜び

オペラ「子どもと魔法」のリハーサル後、ボランティアスタッフにあいさつする小澤征爾さん=長野県松本市で2013年8月19日午後2時55分、福富智撮影

 指揮者の小澤征爾さん(80)が第58回グラミー賞の最優秀オペラ録音部門で受賞したとの知らせに、受賞作のオペラが公演された長野県松本市では、共演した市民らの間に喜びと誇りが広がった。

     小澤さんを総監督とするサイトウ・キネン・フェスティバル松本は1992年に始まり、まちを挙げての毎夏の音楽イベントとして定着。2015年にセイジ・オザワ松本フェスティバルと改称された。

     13年8月23日に公演された受賞作の「子どもと魔法」には、世界で活躍する一流歌手と共に、地元オーディションで選ばれたソプラノ、アルト、テノール、バスの各パートで市民2人ずつと、小学生から高校生までの子どもたち20人が参加した。静養などのため長野を訪れていた天皇、皇后両陛下も鑑賞した。

     地元合唱団を指導した長野県松川村立松川小教諭、中村雅夫さん(56)=同村=は「この松本で、しかも市民が参加した演奏が受賞するのは画期的なこと。世界的に評価され、とてもうれしい」と喜ぶ。当日は客席最上段の調整室からペンライトを使って合唱の指揮を担当した中村さんは「小澤さんの作り上げる音楽が素晴らしく、舞台も美しくて、どきどき、わくわくしていた」と当時の興奮を振り返った。

     フェスティバルのメインプログラムに市民合唱団が参加するようになったのは、2009年の「戦争レクイエム」(ブリテン作曲)からだ。関連行事などの運営ボランティアにも多くの市民がかかわっている。

     中村さんは「フェスティバルのたびに、若い人を育てたいという小澤さんの強い思いが伝わってくる。地域の音楽文化がさらに成長し、回数を重ねるごとに根付いていくのを感じる」と話した。

     過去7回にわたってグラミー賞にノミネートされ、8回目で初の栄冠を射止めた小澤征爾さんは「充実した練習と公演ができてとても楽しかった。大変うれしく、みんなとこの作品を創れたことを誇りに思います。仲間たちとこの喜びを分かち合いたい」とのコメントを出した。【古川修司】

     【ことば】グラミー賞

     米国で最も権威があるとされる音楽賞。1959年、優れた音楽作品とその作者をたたえ、業界の振興を図ることを目的に創始された。主催は全米レコード芸術科学アカデミーで、授賞作は毎年、同会員の投票によって選ばれる。最優秀アルバム▽最優秀レコード▽最優秀楽曲▽最優秀新人−−が、主要4部門とされる。最優秀オペラ録音部門の小澤征爾さんは、8回目のノミネートで初受賞。これまでに受賞した日本人アーティストには、音楽家の坂本龍一さん(最優秀オリジナル映画音楽賞)やシンセサイザー奏者の喜多郎さん(最優秀ニューエージアルバム賞)らがいる。

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