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ハンセン病

無理解の根絶へ家族の声に耳を…解説

 国の強制隔離政策を違憲とした国家賠償訴訟の熊本地裁判決(2001年)から15年近く経過し、元患者の救済が一定程度進む中で家族たちが起こした今回の訴訟は、ハンセン病を巡る差別の問題が今も未解決であることを浮き彫りにしている。

     家族が就職や結婚など日常生活のあらゆる場面で厳しい差別にさらされてきたことは、元患者が1998年に国賠提訴した時点で分かっていた。だが当時は差別を恐れて家族が孤立し、被害を訴えることができなかった。

     03年に家族が集う「れんげ草の会」(事務局・熊本市)が結成されると、情報交換や連携が進み、「患者と同じような被害を受けたのに国から謝罪さえないのはおかしい」との意識が高まった。

     元患者を支えてきた弁護団からも「家族の訴訟を支援しないのは責任放棄だ」との声が出た。「ハードルが高い」と家族の訴訟に消極的だったことへの反省もあった。昨秋から準備を始めると全国から相談が相次ぎ、予想以上の数の原告が集まった。

     しかし、大半の原告が提訴しても名前を明かせないという現実が、今なお残る差別や偏見の根深さを象徴している。訴訟の被告は国だが、地域の患者を根こそぎ療養所に収容するために国や自治体が進めた「無らい県運動」に協力したのは国民だったという事実を忘れてはならない。疾病への無理解から起こる被害を二度と繰り返さないためにも、私たちは家族の声に耳を傾ける必要がある。【江刺正嘉】

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