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岩手の漁港で今夏稼働へ…漁協などに試験供給

波力発電所の仕組み
久慈市の位置

 東日本大震災で被災した岩手県久慈市の漁港に、海の波の力で発電する波力発電(出力43キロワット)が今年8月に設置され、試験的な電力供給が始まる。国の認可が得られれば、地域へ送電する国内初の波力発電所となる。開発した東京大生産技術研究所は「将来は全国の漁港に設置し、発電した電力を地元で消費する『エネルギーの地産地消』を目指したい」と意気込む。【足立旬子】

    東大生産技術研が開発

     装置は、「波受け板」と呼ばれる大きな鉄板(高さ2メートル、幅4メートル)が、波によって振り子のように前後に動いてモーターを回し、発電する。防波堤付近に設置するため、防波堤からはね返ってくる波も利用でき、一般家庭十数世帯分をまかなえる。電力の一部は港にある漁協の施設で使う。

     新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、日本近海では現在、波力を利用した発電で540万キロワット分(原発5基分)を確保できると試算されている。

     クリーンエネルギーとして期待される波力発電だが、これまでは実際に電気を使う陸への送電費用が高く、実用化していなかった。今回の計画は漁港に設置するため既存の送電網を利用でき、コストが抑えられるという。

     文部科学省の震災復興プロジェクトとして、約4億円かけて、2012年度に開始。被災地の産業育成のため、装置は地元にある北日本造船久慈工場などが制作した。将来的には売電して装置の建設費にあてる構想だ。

     チームの丸山康樹・東大特任教授(海洋エネルギー)は「全国には約3000カ所の漁港がある。目の前の海から取り出せるエネルギーの利用を全国で進めるモデルにしたい」と語る。

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