日銀のマイナス金利政策が16日、スタートした。銀行が日銀に預ける当座預金の一部に0・1%の手数料を課して「預け損」にし、銀行に眠るお金を消費や投資に向かわせる政策だ。お金を借りると「得」をし、お金を預けると「損」をする、これまでの常識を覆す世界の下、家計には早くも戸惑いが広がっている。
「資産運用なんてしたくない。でも、もう銀行には預けておけない」。東京・銀座にある新生銀行の資産運用相談窓口。会社員女性(67)は戸惑いと怒りを込めて語った。老後の年金生活を支えるため、現金を銀行の定期預金と郵便貯金にこつこつ蓄えてきた。だが、預金金利が引き下げられるのを受け、生活設計の見直しを決めた。預貯金全額を引き出して「国内株で運用する投資信託を買う」というが、不安は尽きない。窓口には、この女性と同様、お金…
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