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新国立競技場で注目 各自治体PR強化

 伐採後に必ず植林するなど環境に配慮した林業と第三者機関が認める森林認証制度が注目されている。2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場で、認証を得た国産材を使う方針が決まったためだ。企業が活用するケースも増えており、認証の取り組みを進めてきた各自治体はPRに力を入れている。

     「新国立競技場は追い風だ」。強度に優れた天竜材として知られる杉やヒノキの産地である浜松市。静岡県内で森林5.6万ヘクタールが認証されているが、県や林業団体は昨年11月、認証をさらに推進する協議会を設置。その直後に新国立競技場のデザインが決まり、浜松市は市長が中心となって建設会社などに売り込みを図っている。

     昨年10月に杉の森林が認証を取得した宮城県南三陸町も期待を高めている。新国立競技場のデザインを手掛ける建築家の隈研吾氏が「東日本大震災の被災地の材料を多く使いたい」と表明したためだ。

     東京五輪では、新国立競技場以外の施設でも認証を得た木材が多く使われる見通し。県有林14.3万ヘクタールが認証されている山梨県は、五輪施設の関連業者が県の木材を優先的に調達できる制度を昨年9月に導入した。

     森林認証を積極的に活用する企業も増えている。認証を取得した木材を使った製品は、認証マークを付けるなどして環境保護に取り組む姿勢を消費者にアピールできるためだ。

     大手コーヒーチェーンのスターバックスは紙袋、森永乳業は飲料容器に認証マーク付きで使っている。大手コンビニエンスストアのミニストップは新規店舗(ビルなどの入居を除く)に認証木材を使っており、これまでに約140店を建設した。

     ただ、全国の森林で認証された面積は約7%にとどまる。認証を得ても木材価格に大きな変化はなく、取得には100万円以上のコストがかかるためだ。国産材の積極活用を目指す農林水産省は「欧米では認証木材が一般的。国産材の輸出を見据えても認証は必要になる」(幹部)として、海外の事例紹介で自治体などの認証手続きを後押しする構えだ。【松倉佑輔】

    キーワード・森林認証制度

     環境に配慮する森林経営に対して、第三者機関が認証する仕組み。貴重な動植物など生態系を破壊していないか▽伐採後の植林を計画的に実施するか▽従業員の安全が確保されているか−−などを審査する。五輪でも2012年のロンドン大会から競技施設などで認証材を使うことが一般的となった。

     世界自然保護基金(WWF)を中心に発足した国際的な認証機関「森林管理協議会(本部・ドイツ)」のほか、日本独自の認証機関として業界団体を中心に発足した「緑の循環認証会議」がある。日本では、この二つの機関がそれぞれ認証しており、これまでに計170万ヘクタールの森林が認証された。消費者は製品にある認証マークで確認できる。

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