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初代ハヤタ隊員「クレバー、格好いい存在」

「ウルトラマン」の変身時のポーズを取るハヤタ隊員を演じた黒部進さん=東京都港区で、徳野仁子撮影

俳優・黒部進さん「何が善で何が悪かを考えさせた」

 「ウルトラマン」のテレビ放送が1966年7月17日に始まって、間もなく半世紀となる。初代ウルトラマンに変身するハヤタ隊員を演じた俳優、黒部進さん(76)が毎日新聞のインタビューに応じ、地球の未来を担う子供たちに「たくさんの困難に遭っても、夢を持ち続けてほしい。自分の中の光るものを見つけ出して、前に進んで行こう」とメッセージを送った。

 黒部さんは26歳の時、過去の特撮作品での実績を買われハヤタ隊員役に指名された。巨大ヒーローと怪獣が戦うという前例のない作品世界に戸惑いながら、作り上げたヒーロー像は「快活、クレバー、敏捷(びんしょう)で格好いい存在」だった。迫真の演技は、当時の放送や後年の再放送を見た子供に大きな影響を与えた。

 「ウルトラマンがゼットンに倒されたのを見て、自分がゼットンを倒そうと思った」と語るプロレスラー、「ずっとウルトラセブン(67年放送開始)になりたかった」と打ち明けた宇宙飛行士。大人になった視聴者からの感謝の言葉で、ウルトラマンの偉大さを実感するようになった。

 「単純に悪いやつを退治して終わりではなく、何が善で何が悪かを考えさせた」。そこが魅力だ。例えば実相寺昭雄氏(映画監督、故人)が携わった話では、ウルトラマンは絶対的正義ではなく、地球人の都合で怪獣を退治することの是非をも問いかける。「怪獣とも仲良くしたいとか、子供たちの真摯(しんし)な気持ちを反映した作品だった」と思う。

 この50年間、地球上でさまざまな出来事があった。「戦争が次々と起こり、日本でも大きな地震がある激動の時代だった」。絶え間なく訪れる苦難の中で、ウルトラマンが「子供たちの心の傷を癒やす存在であってほしい」と願っている。

 心ならずも、ウルトラマンを背負い続けた黒部さんは「人生に悔いはない」と自信を得ている。子供たちには「勉強、勉強というのではなく、いろいろな人生がある。自分が持っている良いところを一つみつけてほしい」。そして「親や周りの人には、夢を後押しする役割を果たしてほしい」と訴える。【濱弘明】

「自らの力でよりよき未来を」ウルトラマンは発信し続けた

 「ウルトラマン『正義の哲学』」著者で批評家・教師の神谷和宏さんの話 ヒーローに頼るのではなく、子供たちがヒーローになり自らの力でよりよき未来を築こうというメッセージを、ウルトラマンは発信し続けてきた。さらに、その人の価値観によって何が正義で何が悪かは異なること、一方的な正義が暴走する可能性があることを示してきた。時代とともに変化した部分もあり、最近では格差や若者の居場所の問題なども取り上げ、敵を破壊せずに和解や共存を追求するストーリーも増えている。

ウルトラマン

 特殊撮影技術(特撮)を利用した「空想特撮シリーズ」として、円谷プロとTBSが製作。1966〜67年に39回、テレビ放送された。M78星雲からやってきた宇宙人が、科学特捜隊の飛行機と衝突してハヤタ隊員が死亡したことに責任を感じ、ハヤタに命を分け与えて一体化。ハヤタが宇宙人をウルトラマンと名付け、危機に陥ると変身して怪獣などと戦う。平均視聴率30%超の大ヒットとなり、後継のウルトラマンが次々と登場した。

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