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臓器移植

免疫抑制剤の生涯服用 リンパ球培養で回避策

 生体肝移植後の拒絶反応を抑え、免疫抑制剤に頼らずに済む臨床研究を進める北海道大と順天堂大の研究チームは18日、臓器提供者と移植患者のリンパ球などから培養した特殊な細胞を使い、成人患者10人のうち7人が2年以上も免疫抑制剤を服用せずに日常生活を送ることに成功したと発表した。研究チームは今後、この手法を一般的な治療法として確立させることを目指しており、実現すれば患者の負担を大幅に軽減できそうだ。

     臓器移植を受けた患者は通常、免疫抑制剤を生涯服用する。免疫力が弱まるので感染症やがんになったり、薬の副作用で腎不全、糖尿病を発症したりする恐れが指摘されている。薬代もかさむ。

     移植後の拒絶反応は免疫細胞であるリンパ球が他人の臓器を「異物」ととらえ、攻撃する。新手法は臓器の提供者と移植患者双方のリンパ球を特殊な抗体と混ぜ、他人の臓器を異物扱いしないリンパ球「制御性T細胞」を培養。移植手術の約2週間後、患者に投与する。当初は免疫抑制剤を服用するが、半年後から投与量を少しずつ減らし、1年後にはゼロにする。

     研究チームは北大病院で2010年11月以降、生体肝移植を受けた当時30〜60代の男女10人に新手法を適用した。今年1月末現在で4人は免疫抑制剤の服用をやめてから3年以上たち、3人は2年以上たった。この間、必要な免疫機能は維持され、合併症は確認されなかった。

     残る3人は免疫抑制剤を減量中に軽い拒絶反応が出たため服用を中止できなかったが、通常よりも少ない免疫抑制剤の量で正常な肝機能を維持できているという。

     研究チームの成果を基に東京女子医大病院(東京)、広島大病院(広島市)、久留米大病院(福岡県久留米市)などで臨床試験が進む。海外の研究機関とは脳死肝移植への応用を検討している。

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