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武装集団に対処せず PKOで政府検討

 政府は、国連平和維持活動(PKO)などに参加している自衛隊による「駆け付け警護」について、救援対象が武装集団に襲われている場合、原則として部隊を出動させない検討に入った。駆け付け警護は安全保障関連法で新たに盛り込まれた活動だが、同法に定めた自衛隊の武器使用基準は相手の殺傷を目的とした「危害射撃」が正当防衛・緊急避難の場合に限られているため、武装集団への対応は難しいと判断した。複数の政府関係者が明らかにした。

     政府は来月の法施行後、南スーダンのPKOに参加している自衛隊部隊の任務への追加を想定しているが、部隊の規模や装備は変更しない方針。他国軍隊や非政府組織(NGO)職員らが武装集団に襲われた場合に関するこれまでの検討で、「敵を見つけた瞬間に撃たなければならない場合がほとんど。抑制的な武器使用では対処できない」(政府関係者)との理由から対応は困難と判断した。原則として、治安維持を担当する他国の歩兵部隊などに任せる方向だ。

     このため、政府は自衛隊が駆け付け警護を実施するケースとして、NGO職員などが現地住民による暴動やデモに巻き込まれて身動きができなくなった場合などを想定。典型例として、2002年、東ティモールでのPKO活動中に大規模な暴動が発生し、現地在住の日本人から保護を求められた自衛隊が急行し、宿営地まで輸送した事案を念頭に置いている。

     安倍晋三首相は安保関連法の制定過程で駆け付け警護の盛り込みに強い意欲を表明。国会審議などで、武装集団に襲撃されたPKO要員などが救援対象になるとの考えを示してきたが、安保関連法施行を前に、現実には対応が困難なことが露呈した形だ。

     南スーダンでは現在、自衛隊の施設部隊約350人が比較的治安の安定している首都ジュバとその周辺で道路建設などを行っている。駆け付け警護を任務に追加した場合、出動の可否の判断材料を得るため、独自の情報収集と治安維持を担う他国部隊との情報共有を強化する。ただ、暴動やデモの中に武装集団が紛れている場合や、他国の歩兵部隊が出動できない場合なども考えられ、実際の判断は難しいものとなりそうだ。【青木純、村尾哲】

    ことば【駆け付け警護】

     PKOや国際機関の要請などに基づく国際平和協力に参加する自衛隊が、自らと同じ目的で活動している他国軍隊やNGO職員などが危険に遭遇し、救援要請を受けた場合に武器を使って助けに行く行為。政府は従来、海外での武器使用は自衛隊員や管理下に入った者を守る場合に限って認めており、駆け付け警護は自らを守る武器使用に当たらず、武力の行使に当たる恐れがあるとして認めていなかった。

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