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復興 寺がよりどころ本堂再建決意

清掃作業後、檀家に語りかける同慶寺の田中徳雲住職=福島県南相馬市の同慶寺で五十嵐和大撮影

 福島県南相馬市小高区の避難指示区域にある曹洞宗同慶寺に毎月1日と15日の朝、高齢者らが集まってくる。主に市内で避難生活している檀家(だんか)で、名目は清掃活動だが、互いに近況を語り合うのが楽しみだ。政府が4月中を目指している避難指示解除で、すぐに戻る人は少ないとみられるが、住職の田中徳雲さん(41)は「自分たちで地域のことを考えていかなければ。それが真の復興ではないか」と活動を地道に続けていく考えだ。

     同慶寺は江戸時代まで一帯を支配した相馬氏の菩提(ぼだい)寺で、800年続く古刹(こさつ)。東日本大震災で本堂は柱が傾き、壁が壊れた。福島第1原発事故のため十分な修理もできず、雨漏りもひどい。

     田中さんは同県いわき市出身で、2001年、同慶寺に副住職として赴任した。事故直後、妻と幼い子供を連れて福井県に避難。南相馬市内の別の寺の一室を借りて福井から通い、檀家を回った。

     落ち込みがちな高齢者らが集まるきっかけになればと11年10月、「寺の掃除に来ませんか」と呼び掛けた。当時は立ち入りに事前申請が必要だったが、約70人が集まり、楽しそうに語らった。

     昼間の立ち入りが自由になってから清掃は定例化し、毎回数十人が集まる。終了後は田中さんを交えてお茶を飲む。同市鹿島区の仮設住宅から足を運ぶ林勝典さん(68)は「子供のころは境内が遊び場。お寺はよりどころです」と話す。避難指示が解除されれば戻りたいとは思うが「農業が再開できるのか」と悩んでいるという。

     田中さん自身、今は家族といわき市で暮らし、当面戻る予定はない。放射線の影響や寺の将来に不安はあったが、「若いうちに寺を再建しよう。そうでないと地域に人が残れなくなる」と腹を固めた。本堂は築70年。檀家が寄進した樹齢300年超のケヤキやヒバで建てられた。何年かかっても、解体して一から組み直すつもりだ。【五十嵐和大】

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