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手話、音声ガイド付きで上映 障害ある人たちに

映画作品を見ながら、状況やせりふを読む「ヨコハマらいぶシネマ」のメンバーたち=横浜市中区で、藤沢美由紀撮影

 目や耳に障害のある人たちも映画を楽しめるようにと、音声ガイドや手話などを付けた上映が県内の一部映画館で定着している。定期的に開催する映画館は全国的にも珍しく、利用者の熱い支持を受けている。【藤沢美由紀】

     2月7日。横浜市中区若葉町の「シネマ ジャック&ベティ」では「音声ガイド付き上映」が行われた。新作洋画の上映中、別室ではマイクを握るボランティアメンバー5人が、上映作品の映し出されるモニターを見つめ、日本語字幕通りせりふを読む。1人は「アレックス、携帯を片手に歩いて行く」などと登場人物の動きや「大渋滞の道路」といった状況を説明する。

     場内では一般の観客とともに座る視覚障害者約10人が、ミニFMを利用し小型ラジオとイヤホンで音声ガイドを聞いていた。料金は障害者本人と付き添い1人が各1000円。ラジオは無料で貸し出される。毎月参加しているという60代の女性は「音声ガイドのおかげで作品を深く味わい、映画が好きでいられる。とても楽しみで、生きがいになっています」と笑顔で話した。

     付き添いを必要とする視覚障害者のため、実施日は毎月第1日曜と、美空ひばりの出演作が上映される第3日曜に固定している。音声ガイドを担当しているのは、市民団体「ヨコハマらいぶシネマ」。2008年、「ジャック&ベティ」の梶原俊幸支配人が東京の団体に依頼して音声ガイド付き上映を行ったことをきっかけに発足した。以来ドラマ、アニメ、ドキュメンタリーにミュージカルとジャンルを問わずに活動している。

     上映前には状況説明のための台本を作り、リハーサルを行って視覚障害者のチェックも受ける。入念な準備が必要だが、盲特別支援学校の元教員で発足時からのメンバーである鳥居秀和代表(56)は「映画の面白さ、楽しさを自分たちで伝えられ、喜んでもらえる」と醍醐味(だいごみ)を語る。一方、音声ガイド付きで上映する年間約30本という数は「年間の公開作品数に比べたかが知れている」とも感じている。

     川崎市麻生区の川崎市アートセンター「アルテリオシネマ」でも08年から、視覚障害者のための音声ガイド付き上映を年間10作品ほど行っている。毎回10人ほどが参加しているという。

     聴覚障害者向けには、「シネマ ジャック&ベティ」が「手話弁士付き上映」を09年から年1度行っている。昨年は、12月の週末2日間にわたり「父と暮せば」「ヨコハマメリー」など3作品が上映された。スクリーン横に立つ手話弁士が、登場人物のせりふやさまざまな音を手話で伝える。手話弁士の菊川れんさんは「ろう者である私には字幕で映画を見ても半分しか理解できない。目標は手話で作品の内容を全部伝えること。聞こえる人も一緒に楽しんでもらい、多くの人に広げたい」と話した。

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