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津波に負けぬツバキのように…アイデア起業家 岩手

手もみし、岩手県九戸村の甘茶もブレンドした椿茶。ほのかな甘みがある。

復興に奮闘、陸前高田の「バンザイ・ファクトリー」高橋さん

 東日本大震災で津波をかぶっても枯れなかったといわれるツバキの花をシンボルマークに、ツバキの葉で作った「椿茶」や海産物の加工品など新商品を開発し、被災地に雇用を生もうと奮闘している起業家がいる。春からは津波被災地にツバキの畑を広げる「レッドカーペット・プロジェクト」を本格化させる予定で、海外への販路拡大も目指す。

    研究を重ねて「椿茶」を商品化した高橋和良さん

     岩手県陸前高田市の製造業「バンザイ・ファクトリー」の代表取締役、高橋和良さん(54)。同県矢巾町に生まれ、幼少期の一時期、東日本大震災で大きな被害を受けた同市に住んだ。東京などで病院の医療情報システムを手がけて成功し、45歳でセミリタイア。あこがれだった木工の会社を盛岡市に設立し、本格的に事業を展開しようとしていた時、震災が起きた。

     自身に被害はなかったが、被災した恩人たちの顔が思い浮かんだ。特に陸前高田市に住む地元スーパーチェーン「マイヤ」(本部・同県大船渡市)の社長、米谷(まいや)春夫さん(68)は、25歳で起こした流通情報システム会社が全国展開するきっかけを与えてくれ、役員を解任された時も手を差し伸べてくれた。

     「復興のために一つでも売れる商品を開発し、一人でも働ける人を増やしたい」と秋田県の田沢湖畔にあった自宅などを処分。2012年8月に陸前高田のマイヤの店舗敷地の一角を借りて木工と製麺の工場を建設し、同年12月には自身も近くに転居した。

     木工品や断面が星の形をしたパスタの製造・販売を手掛ける傍ら、ツバキの商品化に取り組み、昨年10月には椿茶を商品化した。ツバキの葉に着目したのは、年間を通して取れるため安定した雇用を生めると考えたからだ。また、海産物を煮た「三陸甘露煮」は「『新しい東北』復興ビジネスコンテスト2015」(「新しい東北」官民連携推進協議会主催)で大賞を受賞した。

    「椿茶」の容器にシールを張る女性従業員たち。さまざまな製品を手がけることで、安定した雇用が保てるよう工夫されている=岩手件陸前高田市のバンザイ・ファクトリーで

     バンザイ・ファクトリーは現在、乳児を抱えた20代から仮設暮らしの80代まで18人の女性を雇用。昨年10月には陸前高田市内に土地を借り、310本のツバキの苗を植えた。311本目は震災から5年となる来月11日に植える予定だ。隣の大船渡市内にも畑を借りるめどが立っており、今年中に100人規模の雇用を生み出したい考えだ。

     震災後の地価の高騰で、まとまった土地を手に入れるのは難しい状況だが、高橋さんは「早い時期に商品を海外にも出したい。そして、陸前高田の人たちが誇りを持って働き、子どもたちが見学に来られるような会社にしたい」と語る。【石塚淳子】

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