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feat.瀧波ユカリ/177 低生産性のわなが招く長時間労働

イラスト・瀧波ユカリ

 今回は「長時間労働」をなくすためのアイデアを募りましたが、悩んでいる当事者の皆さんから多数の切実な声が寄せられました。多くの投稿を読むと、なぜ長時間労働が日本で続いているのか、その理由が読み取れました。それは「低生産性のわなが招く絶妙なバランス」です。低生産性とは、働いている割に市場での価値が生まれないということです。

     低生産性のため、企業ももうかっていないし、従業員の給料も安い。だから、企業は人を雇えないので、ますます、雇っている人を長時間労働させるし、従業員も給料が安いので生活のため、残業代目当てで働くことをいとわないという悪循環です。

     しかも、低生産性の会社は本来、市場から退出を余儀なくされるため、そのようなひどい待遇の会社は消滅するはずなのですが、なんと他の会社の生産性も低いため、レベルの低い争いをして、なかなか淘汰(とうた)されない結果になっています。

     また、この生産性を如実に表すような社内評価指標も、社会での評価指標も「見える化」されていません。このため、誰が、あるいは、どの会社がどれくらい生産性が悪いかという情報が共有されておらず、向上のためのプレッシャーがかかっていません。

     さらに、この低生産性が見えてしまうと都合が悪い人の方が多数派のため、本当に一部の優秀な経営者、従業員以外は、低生産性を認めないか、低生産性を前提とした会社の仕組みを是認していくのです。そして、ある意味、この低生産性に適応した会社だけが、生き残れていると考えます。

     この間違ったバランスを崩すための興味深いアイデアをいくつか紹介します。きむらとしあきさんは「8時間ずつ早番遅番のシフト制の徹底」を提示しました。これは、ヨーロッパでは多く取られている手法です。教員のMichiko Nishiyamaさんは、札幌では学校全体で長時間労働しない手法を共有し、教育の質も落ちていなかった。そうでない東京とはトップが労働者にどれくらい優しいかの差ではないかと指摘しています。sayakaさんは、残業は定時前だけ許可するというルールを提示しています。

     ベストアンサーには、こうままさんの「時間外手当だけでも社内で各人の情報を共有して、全社員が見られるようにする」を選びたいと思います。シンプルなアイデアですが、一人一人の働きが残業に見合っているのか、単に生産性が悪くて労働時間が長びいているだけなのか、社内の人であれば、すぐに見抜けますから、長時間労働の抑制につながる可能性が高いです。

     いずれにしても、今回紹介できなかった方も含めて皆が「とにかく言い続ける」こと、そして、さまざまなアイデアをできる限り試すこと、ここに解の糸口があるのではないかと考えます。(経済評論家)

     ●勝間さんの提案(10日掲載)

     長時間労働や男性中心の働き方という慣行をどうすれば是正できるか。日本では、長時間労働規制については経済界を中心に反対意見が根強く、なかなか実現できていない。背景には、長時間労働によって守られている既得権者たちがいる。そこで、長時間労働をしなければいけないほど才能に欠ける人、というように社会の意識を変える必要がある。長時間労働をなくすためのさまざまなアイデアを幅広く募集する。

     *ご意見も引き続き受け付けます

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