【ロンドン坂井隆之】ロンドンのボリス・ジョンソン市長は21日、欧州連合(EU)からの離脱を支持すると表明した。英国では、EU残留の是非を問う国民投票が6月23日に行われる。国民的人気があり、次期首相の有力候補とされるジョンソン氏が先頭に立つことで、離脱派は勢いを増しそうだ。
ジョンソン氏は、与党・保守党の下院議員も兼任している。英調査会社イプソス・モリの直近の世論調査によると、ほぼ3人に1人がジョンソン氏の判断を国民投票での態度を決める「重要な判断材料になる」と回答。キャメロン英首相は、残留を支持するよう説得を続けていた。
ジョンソン氏は大手紙デーリー・テレグラフへの寄稿で、「我々が求める変化を得るには離脱に投票するしかない。EUは国家連合を目指しており、ほとんどの英国民とは相いれない」と説明した。
キャメロン内閣では、首相側近のゴーブ司法相ら数人が既に離脱支持を明らかにしている。22日の外国為替市場では、ジョンソン氏の離脱支持表明で国民投票の行方に不透明感が増したとして、通貨ポンドが対ドルで下落した。