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民・維合流へ 穏健な改革勢力目指せ

 民主党と維新の党の合流問題が進展した。維新の党が解党し、民主党が実質的に吸収する形の新党結成で両党が大筋合意したためだ。民主党の党名も変更される見通しだ。

     自民党に対抗するため野党が結集を図ることは理解できる。ただ、「なぜ新党なのか」という肝心な部分の議論を後回しにしてはならない。安倍政治の対立軸に足る理念の構築を求めたい。

     自民党、とりわけ安倍晋三首相の1強状態が続く一方で、これに対抗する勢力がない現状に不満な有権者は少なくないはずだ。

     今の政界全体を見渡してみよう。自民党はもともと、タカ派もハト派もいる中で議論を積み上げて政策を形づくる政党だった。

     だが、小選挙区制度の下で党の右傾化は進んだ。とりわけ、安倍内閣の下でこの傾向は顕著だ。安全保障関連法は十分議論を尽くさぬ急進的な手法で制定されたが、党内からほとんど異論は聞かれなかった。自民党全体が「右」に寄った分、かつてのハト派の理念や政策を主張する勢力は空白になったといえる。

     だからこそ、空白を埋める受け皿の構築が野党の中に求められる。民主、維新両党が合流し衆院で93人の勢力が結集する意味は小さくない。

     両党の合流問題はこれまで維新の吸収・合併を図る民主党と、両党が解党しての新党結成を求める維新の主張が平行線をたどっていた。結局、民主党が維新の党を吸収して実を取るかわりに、党名は変更することで歩み寄ったということだろう。

     野党では共産党が参院選で1人区の候補擁立を原則として見送る方針を固めるなど、選挙協力も動き出した。力の分散を避けるのは現実的な選択と言える。

     ただ、両党の合流が政治を大きく変えていくような一歩になるか、現状はこころもとない。「政党の空白」に対応しようとする議論が、これまであまりに不足しているためだ。

     最大のネックになったのは、民主党が解党しない場合は新党に参加できなくなる旧みんなの党比例代表選出の維新の参院議員5人の処遇だった。いったんは無所属となることで収拾したというが、解決に腐心した両党間で複雑な分党論など奇策も取りざたされた。内向きな議論である。

     民主党は安保政策などの基本政策を十分に集約してこなかった。新党を数合わせや看板の掛け替えに終わらせないため、これまでの民主党から変わるべきだ。理念や政策の構築こそ優先すべきだ。

     両党は新党を来月に結成する運びだ。民主的で穏健な手法を基調とした改革勢力として、再出発を急がねばならない。

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