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国連への説明問題ない…朝日「遺憾」文書に外相

 岸田文雄外相は23日の記者会見で、外務省の杉山晋輔外務審議官が国連の会合で慰安婦問題に関する朝日新聞の報道を「国際社会に大きな影響を与えた」などと発言したことについて、「問題はなかった」との認識を示した。

     杉山氏は16日、ジュネーブの国連欧州本部で開かれた女性差別撤廃委員会の対日審査会合で、慰安婦問題に関する質問に対し、1990年代に政府が事実調査を行ったことを踏まえ「資料に軍や官憲によるいわゆる強制連行が確認できるものはなかった」と述べた。

     強制連行の見方が広がった理由については、朝日新聞が故・吉田清治氏の虚偽の証言を報道し「国際社会に大きな影響を与えた」と説明。「朝日新聞は、20万人という数字のもとになったのは、通常の戦時労働に動員された女子挺身(ていしん)隊と慰安婦を誤って混同したことだと認めている」と指摘した。

     岸田氏は会見で「従来、わが国がさまざまな場で表明してきた立場や内容だ。まったく新しいことは含まれていない」と述べた。

     杉山氏の発言に対し、朝日新聞社は18日、「根拠を示さない発言」として外務省に文書で遺憾を表明している。

     文書によると、同社は、吉田氏の証言内容を虚偽と判断し、2014年8月以降、関連記事を取り消した。国際社会への影響に関しては、同社の慰安婦報道を検証する第三者委員会の委員の「朝日新聞が大きな影響を及ぼした証拠は決定的ではない」などの見解を紹介し、反論した。【小田中大】

    杉山外務審議官の発言・要旨

     日本政府は慰安婦問題に関する本格的な事実調査を行ったが、発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった。

     慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、1983年、吉田清治氏(故人)が「私の戦争犯罪」という本で、自らが「日本軍の命令で韓国の済州島において大勢の女性狩りをした」という虚偽の事実を捏造(ねつぞう)して発表したことだ。書物の内容は当時、朝日新聞社により、事実であるかのように大きく報道され、日本、韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた。

     書物の内容は、複数の研究者により完全に想像の産物だったことが既に証明されている。朝日新聞も2014年8月5、6日を含め累次にわたり記事を掲載し、事実関係の誤りを認め、読者に謝罪した。「20万人」という数字も具体的な裏付けがない。朝日新聞は、数字のもとになったのは、通常の戦時労働に動員された女子挺身(ていしん)隊と慰安婦を誤って混同したことにあると認めている。

    朝日新聞の申し入れ・要旨

     杉山晋輔外務審議官の発言は根拠を示さないもので遺憾だ。

    <発言「朝日の報道が国際社会に大きな影響」について>

     弊紙は数度にわたって吉田清治氏の証言を紙面で紹介した。しかし、その内容を虚偽と判断し2014年8月以降、関連する記事を取り消した。こうした事態を招いたことを大変重く受け止めている。

     吉田氏の証言報道の国際社会への影響について、朝日新聞の第三者委員会で議論した。「(日本軍が強制的に従軍慰安婦にしたという)イメージの定着に証言が大きな役割を果たしたとは言えず、朝日新聞が影響を及ぼした証拠も決定的ではない。しかし、韓国の過激な言説を日本のメディアは裏書きしてきた。その中で指導的な位置にあったのが朝日新聞だ」「国際報道調査の結論は、朝日新聞の報道は国際社会にあまり影響がなかったということだ」という委員の見解を報じている。

    <発言「女子挺身隊との混同」について>

     「20万人」について、女子挺身隊と慰安婦の混同がもとになったとは報じていない。慰安婦の人数は14年8月の記事で「総数を示す公式記録はなく、研究者の推計しかない」と紹介している。

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