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アサド政権「停戦受け入れ」 米露の共同声明

反体制派 3条件で一時停戦に応じる声明

 【ワシントン和田浩明、モスクワ杉尾直哉】米国とロシアは22日、シリア内戦の停戦条件で合意し、シリア時間の27日午前0時(日本時間同日午前7時)からの停戦実施をアサド政権と反体制派に呼びかける共同声明を発表した。米ホワイトハウスによると、オバマ大統領はロシアのプーチン大統領と電話協議し、合意成立を歓迎するとともに、今後の焦点は合意の履行だと強調した。

 米国務省が発表した共同声明によると、停戦条件は▽シリアの政治移行行程などを定めた国連安保理決議の受け入れ▽全ての攻撃の中止▽支配地域拡大の中止▽人道支援の受け入れ▽自衛のための反撃時に過度の武力を用いない−−の5項目。停戦は、過激派組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」、国連安保理がテロ組織に認定した組織には適用されない。

 ロイター通信などによると、アサド政権は23日、停戦の受け入れを表明。反体制派の主要組織もこれに先立ち、(1)反体制派の18支配地域の包囲解除(2)拘束者の解放(3)空爆と砲撃の停止−−を条件に一時停戦に応じるとする声明を出した。

 しかし、履行のハードルは高い。「保証人」役の米露の関与の度合いには温度差も見られ、先行きは多難だ。

 「米露の共同行動で、今後のシリア危機は劇的に変わると信じている」−−。22日夜、停戦について語るプーチン氏の声は自信に満ちていた。ロシア側の要請でオバマ氏と電話協議したことを明らかにし、「ロシア主導」を印象づけた。ロシアは昨年9月にシリア空爆を開始し、旧ソ連時代を含め、初めて中東での本格的な戦争に参入した。「米国主導で中東の秩序が次々と崩壊させられるのを黙認するわけにはいかない」との思いがある。

 一方、米国側はケリー国務長官の声明が文書で発表されただけ。アサド政権の優位を確保し、自国の足場を強化したいロシアと、シリア内戦とは一定の距離をとり続けてきた米国の思惑の違いは明白だ。

 停戦監視の徹底には「米露などの保証」(トナー米国務省副報道官)が重要で、情報共有などを目的にホットラインも設置される。だが、停戦の適用外規定からほころびが生じる可能性がある。例えば、ISやヌスラ戦線に対する空爆は許容される。米国はたびたび、アサド政権を支持するロシアが「対テロ戦」を口実に、米国などに支援された反体制派を攻撃していると批判してきた。こうした攻撃が続けば停戦の有名無実化は必至だ。

 さらに、停戦中でも、「自衛のための反撃」が「過剰な武力を使用しない範囲」で認められている。反撃がさらなる応酬につながらない保証はない。

 ロシアが今後のシリアについて、米露による分割統治を想定している可能性もある。プーチン氏は22日、「米露両軍が共同で(政権支配地と)反体制派支配地を線引きする」と述べた。米ケイトー研究所のアンドレイ・イラリオノフ上級研究員(元露大統領経済顧問)は「シリアの今後に政治解決はなく、ロシアが支えるアサド政権側と、その他の反体制派支配地の分裂しかない」とみている。

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