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「主権の範囲」と正当化 南沙にレーダー建設

 【ワシントン和田浩明、北京・石原聖】米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は22日、中国が周辺国と領有権を争う南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島のクアテロン(中国名・華陽)礁を埋め立てた人工島に、船舶や航空機の移動を広範囲に探知できる高周波レーダーとみられる施設が建設されていると明らかにした。中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は23日の定例会見で「状況を把握していない」として確認を避けつつ、「自らの領土での建設は主権の範囲であり、南沙での限定的で必要な防衛措置は国際法が主権国家に認めた自衛権だ」と施設建設を正当化した。

     CSISによると、1月24日に撮影されたクアテロン礁の衛星写真には、高さ約20メートルの多数のポールが写っており、高周波レーダーの設備とみられる。さらに、レーダー塔2基のほか、地下壕(ごう)や灯台なども設置されている。

     南沙諸島では、ガベン礁やヒューズ礁などにもレーダーや機関砲などが設置されているという。CSISは、南沙に設置されているレーダー網は、滑走路や対空防衛設備などと共に、中国が南シナ海域全体の実効支配を確立し、米軍などの進入を阻止する戦略を取っていることを示すものだと指摘している。

     クアテロン礁は中国が実効支配する南沙諸島の中で最も南に位置しており、昨年12月、米軍のB52戦略爆撃機が飛行した。米国側は誤進入と説明しているが、中国側は同年10月のスービ礁に続く航行の自由作戦で、南沙諸島では海と空と1回ずつ「作戦」が行われたと受け止めている。

     南沙でのレーダー設置で、マラッカ海峡方面から航行・飛行する米軍を探知できる範囲が大幅に拡大する。早期に探知することで、米軍に負担をかける思惑もうかがえる。

     一方で、中国はクアテロン礁とジョンソン南礁に高さ約50メートルの灯台を建設し、昨年10月から運用を開始している。華副局長は23日の会見で、「メディアは南沙での軍事施設建設ばかりに焦点を当てるのではなく、灯台や漁船の避難施設など国際社会への公共サービスにも注目すべきだ」と強調した。

     中国は今月、南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島の永興(同ウッディー)島に地対空ミサイルを配備したことが判明している。23日には中国の王毅外相がワシントンでケリー米国務長官と会談し、南シナ海問題や北朝鮮の核問題への対応を協議する予定だ。

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