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機内に強烈な異臭…乗客、恐怖と寒さに震え

長時間の待機から解放され、疲れた表情を見せる乗客たち=新千歳空港ターミナルビルで2016年23日午後6時23分、福島英博撮影

 「エンジンのトラブルが発生しました」。突然の爆発音に異臭、緊急脱出を促すアナウンス。緊迫した雰囲気の中、乗客らはシューターで逃れ、誘導路上で不安げにトラブルを起こした機体を振り返った−−。北海道・新千歳空港で23日に起こった日航機のエンジン発煙事故で、難を逃れた165人の乗客乗員は寒さと恐怖に身を震わせ、脱出劇を証言した。【福島英博、三沢邦彦、野原寛史】

 乗客が異変を感じたのは離陸を待っている午後3時すぎ。新千歳発福岡行きの日本航空3512便は駐機場を離れた後、雪が強くなり誘導路を引き返していた。視界は午後2時には15キロ先まで見通せたが、午後3時には200メートルに悪化。

 その時、機内に強烈な異臭が漂ってきた。「きゃー」「大丈夫なのか」。女性の悲鳴が上がり、機内はざわめき始めた。熊本県の自営業の男性(46)は「きな臭いにおいが機内に充満した」。

 異臭は収まらない。「煙を避けるため、頭を低くしてタオルで口を押さえてください」。機内放送が流れると乗客らは頭を下げた。家族6人で翼付近の席に座っていた大分県竹田市の主婦(29)は「爆発するのではと思った。とても怖かった」。

 右翼近くの席だった九州工業大の高林正典助教(31)によると、「煙が出ているので緊急脱出してください。低い姿勢を保ってください」と客室乗務員のアナウンスがあった。緊急脱出が始まると、我先にと出口を目指し、手荷物を持とうとする客もいて押し合いになったという。高林さんは左前方の出口から必死で逃げた。「気がついたらシューターで機体から降りていた」

 佐賀県武雄市から家族6人で観光に来ていた美容師の男性(23)は、おい(4)を抱えて滑り降りた。地面に足が着いた時は震えが止まらなかった。「足がぶるぶる震えた。飛ばなくて良かった」。機内の臭いは強烈で「かいだことのない臭いだった。毒ガスかと思った」。脱出時は客室乗務員が乗客を一人ずつ誘導し、大きな混乱はなかったが、福岡市の男子学生(18)は「どうなるか怖くて仕方がなかった」。

 無事に機外に出た乗客は、今度は寒さで震えた。機内に上着を置いたままの人が多く、札幌市の沖田一希さん(50)は「外で30分以上待たされた。雪でぬれて寒く、怒っている人もいた」と話した。

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