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介護家族「再発防止考えて」

行方不明になった梶山清さん(72)=家族提供。身長161センチ、体重47キロ。当時は写真の服装で、青と灰色のシャツ、黒のジャージー、眼鏡、茶色の二つ折り財布、白のスニーカーを身に着けていた。情報提供は下関署(083・231・0110)へ。

1日に最高裁判決

 愛知県大府市で列車にはねられ死亡した認知症男性の遺族にJR東海が損害賠償を求めた訴訟の最高裁判決が3月1日に言い渡される。同様に認知症の人を身内に持つ家族や患者を引き受ける病院などの関係者は、保護する側の監督責任がどう問われるのか複雑な思いで見守っている。【銭場裕司】

     山口県下関市の梶山清さん(72)は昨年5月24日昼、入院していた同市の民間病院「昭和病院」から突然、行方不明になった。2階の自室を出た後、当直受付の前を通り、1階の正面玄関から外に出たとみられる。午後1時半ごろは自室にいたが、約20分後にいなくなっていることに職員が気付き、家族と共に必死で捜したものの見つかっていない。

     家屋の設計士として長年働き、妻と共に娘2人を育て上げ、2002年ごろに筋肉がこわ張るなどの症状が出るパーキンソン病と診断されて、11年ごろには認知症も発症。妻が05年に死去した後は自宅や施設と病院を行き来する生活だった。

     東京都内に住む次女(37)は「パーキンソン病で薬効が切れると体が動かなくなる父が簡単に出て行けたことは疑問です。二度と繰り返してほしくない」と病院側に安全対策の見直しを強く望む一方、最高裁判決について「父のケースも家で起きた可能性はある」と言う。その上で「監督責任に白黒を付けたところで(はねられた男性の)命は戻らない。再発防止のため、判決をどうすれば良いか考えるきっかけにしてもらいたい」と訴えた。

     一方、病院側は患者のリスク管理と人権尊重の両立に悩む。同病院はベッド数約400床で、入院患者のうち65歳以上の高齢者は9割超。面会などで行き来しやすい環境を目指すと共に、入院患者の身体抑制をしないよう取り組んできた。医療安全管理の担当者は「病室を一歩でも出たら押し戻すようなケアはしていない」という。

     梶山さんの行方不明後、対応マニュアルを見直して通報の迅速化などを図り、訓練も行ったが、ジレンマもある。担当者は「患者さんを制限せず見守ることで職員の理解は得ているが、対策を話し合う中で『鍵をかけたら』という声もあった」という。最高裁判決は監督責任のあり方に一定の判断を示す見通しだが、「責任を果たそうとするとどうしても制限する方向に行ってしまう」と懸念する。

     看護部長は「現場が不安に思っているのは確か。認知症で対応が大変でも、鍵はかけられない。かといってマンツーマンでもみられない」。最高裁判決には「JRと家族の問題ではなく、国民一人一人が真剣に考えないと解決できない」と語った。

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