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13年ぶりオスカーなるか 下馬評は

米アカデミー賞のオスカー像

 米アカデミー賞の発表・授賞式が28日(日本時間29日)に迫った。今回はスタジオジブリの「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)が長編アニメーション部門の候補5作品に入っている。ディズニー/ピクサーの「インサイド・ヘッド」が最有力とみられているが、ジブリはその他の米大手の作品を抑え、「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」に続き3年連続5度目のノミネート。米国での評価はどうだろうか?【ロサンゼルス長野宏美】

     「思い出のマーニー」は「風立ちぬ」の宮崎駿(75)、「かぐや姫の物語」の高畑勲(80)の両監督が関わらない初めてのジブリ長編アニメ。原作の英国児童文学を北海道に舞台を置き換え、心を閉ざした12歳の杏奈が、療養先で謎を秘めた金髪の少女マーニーと交流し、成長を遂げる一夏の出来事を描く。「借りぐらしのアリエッティ」の米林監督(42)=2014年末にジブリを退社=が手掛け、日本では14年夏に公開。興行収入は35.3億円だった。

     逃しはしたものの、アニメ界のアカデミー賞とされるアニー賞(国際アニメ映画協会主催)でも監督賞などにノミネートされ、海外での評価は高い。ジブリ作品を全て見ているカリフォルニア州バーバンクの小学校教師、ライアン・ゼルナーさん(40)は「色づかいや手描きの雰囲気、感動的な物語などジブリの伝統を受け継ぎ、新鮮さもある」。米国での上映は約200館と小規模だが、配給会社GKIDSのデービッド・ジェスタッドさんは「(主人公と同じ)12歳前後の多感な年ごろの子が自分に重ねて見ている」と、大人の固定ファンにとどまらない客層の広がりを語る。

     アカデミー賞のレースでは、アニメ部門の枠を超え脚本賞にもノミネートされた「インサイド・ヘッド」が立ちはだかる。11歳の少女の頭の中にある五つの感情が繰り広げる物語で、アニー賞では10冠に輝いた。米国では昨年6月に約4000館で上映が始まり、公開3日間の興行収入が9000万ドル(約100億円)を突破。シリーズや原作を持たない完全オリジナル作品としては「アバター」を超える歴代1位を記録し、12月に3億5600万ドルに達した。

     一方、「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」(20世紀フォックス)や「アーロと少年」(ディズニー/ピクサー)などの大作を押しのけ、小規模で多様な作品が候補入りしたのが今年の特徴。せりふがない「父を探して」(ブラジル)、静止した物体を1コマごとに動かし撮影するストップモーションの「アノマリサ(原題)」(米)、その両方の「映画 ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜」(英)といずれも独自性が高い。「私たちは異なる世界や新たな技法にひかれる」とロサンゼルス映画批評家協会会員のチャールズ・ソロモンさんは言う。一角に食い込んだ「マーニー」についても「米国では元気なヒロインが多い中、疎外感を抱えた少女が、普通とは違った方法で自分を見つめ直すのが特徴的だ」と評価する。

     今月中旬、ノミネートを受けて「マーニー」を上映したビバリーヒルズの映画館。大きな謎が解ける後半では多くの観客が涙を拭っていた。11歳の娘ら家族で訪れたライターのアレン・スピンガーンさん(42)は「前半は幽霊の話かと少し混乱したが、少女が自分の境遇を受け入れる物語に感動した」。劇場舞台係のマーク・シュミットさんも「美しく芸術的。アカデミー賞に値する」と話す。

     宮崎監督の「千と千尋の神隠し」以来、13年ぶりのオスカー獲得はなるのか。

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