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宮古工高生が製作、高知に贈呈…防災教育に活用

須崎工高に贈る津波模型の仕上げ作業をする佐々木さん(左端)、中島さん(左から2人目)ら製作メンバー=岩手県宮古市の県立宮古工高で2016年2月25日、竹下理子撮影

 沿岸部の地形を忠実に再現した「津波模型」を作り、地域の防災教育に役立ててきた岩手県立宮古工業高校(宮古市)の生徒たちが、太平洋に面した高知県須崎市の模型を約1年がかりで完成させようとしている。近い将来に予想される南海トラフ巨大地震の津波対策に生かしてもらおうと、この夏、現地に寄贈する。生徒たちは自らの被災体験を重ね、「模型は大切な命を救うはず」と信じて最後の追い込み作業に励んでいる。

 宮古工高の機械科では2005年から毎年、選択制の課題研究の一つとして津波模型を製作。着色水を「津波発生装置」で海から流し込むと、防潮堤を越えた津波が街をのみ込んでいく様子が分かる模型だ。三陸沿岸は昔から大きな津波被害を受けており、地元小中学校での出前防災授業などで活用されている。

 今年度の製作に携わっている3年の中島良さん(18)、佐々木大さん(18)も小学生の時にこの授業を受け、街を守るはずの防潮堤を津波が越える実演に「びっくりした記憶がずっと残っていた」。

 東日本大震災が起きた11年3月11日、海岸から約600メートル離れた山のふもとに建つ宮古市立田老第一中(海抜約9メートル)の1年生だった2人は、卒業式の練習中に体育館で長く大きな揺れを感じた。校庭に避難した後、津波が来るのに気付いた用務員の「逃げろ」の怒鳴り声に押されるように夢中で高台に避難した。途中、振り返ると、津波が高さ10メートルの防潮堤を越え、ガレキや家が煙を上げながら校庭に流れ込んでくるのが見えた。「あと数分遅れていたら、どうなっていただろう」。田老地区は死者・行方不明者計181人の大きな被害を受けたが、同中では一人の犠牲者も出なかった。

 津波模型は180センチ四方の平らな台に、地図の等高線ごとに切り抜いたベニヤ板を積み重ねていく。東北以外の模型を作るのは初めてで、今回は全体像が分かるように例年の2500分の1ではなく、1万分の1スケールにした。その分、1ミリの誤差が10メートルにもなるので、作業はより慎重を要する。製作指導と出前授業を担当する山野目弘教諭(63)は「地震があったら、ちょっとでも高い所に逃げる大切さを、津波の実演で高知に広めてほしい」と話す。

 模型は3月中に完成させる予定で、優れた防災教育の取り組みを顕彰する「ぼうさい甲子園」(毎日新聞社など主催)を通じて交流が生まれた高知県立須崎工業高校に贈られる。【竹下理子】

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