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子どもの逮捕相次ぐ 「デモに関与」理由に

治安部隊が放つ催涙弾の発砲音に震え、自動車の下に身を隠す少年=バーレーン東部シトラ島で、田中龍士撮影

 中東民主化要求運動「アラブの春」を発端に反政府デモが続くバーレーンで、デモに関与したなどとして子供が逮捕されるケースが相次いでいる。治安部隊がデモ鎮圧のために使う催涙ガスが原因で死亡した事例もある。関係者は「深刻な人権侵害だ」と政府の対応を非難する。

     「なぜ逮捕されたのか。いつ解放されるのか。そればかり考えていた」。1月中旬に逮捕された少年(15)は約3畳の独房で過ごした1週間をこう振り返る。家族との連絡も許されず、鉄格子のついた窓を眺める日々。デモ中に火炎瓶を投げたと疑われたが、証拠は示されなかった。

     父親は「彼は解放後、人と会うのを避けるようになった」と精神的影響を心配する。少年は「学校は、まあまあ(楽しい)。夢? 特にない」と覇気が感じられない。だが平和的なデモは続けると明言した。その翌日、少年はまた逮捕された。

     人権団体「バーレーン人権センター」によると、2011年2月から約5年間の逮捕者は延べ約1万人。このうち18歳以下は約1500人で、現在も約400人が刑務所にいる。昨年4月に逮捕された少年(17)は、ハリファ王家への抗議などで懲役120年の実刑判決を受けた。同センターのニダル・アルサルマン子供女性局長は「逮捕されたくなければ何も言わない。意見を持たない。これが現状だ」と指摘する。

     同センターが把握しただけで、過去5年間で18歳以下の18人を含む97人が催涙ガスによる窒息や警察による拷問などで死亡した。

     北西部ディラーズに住むセイエドサイード・シャムスさん(48)の長男アフマド君(当時14歳)は11年3月末、催涙弾が額の左側に直撃して死亡した。

     当時撮影された写真では、まぶたはどす黒く腫れ、左腕など少なくとも5カ所に大きなアザが見える。遺族は死因の究明を求めたが、政府の結論は「自分で転んだ」。シャムスさんは「この国には人権があるのか。息子のみならず、公正な社会を求めたい」と話した。

     政府は11年以降、外国人記者の駐在や報道ビザ発給を制限しており、こうした状況は広く報じられていない。今月14日にはデモを取材していた米国人報道陣4人が3日間拘束された。米国務省は声明で「バーレーン政府での平和的な政治活動の制限や、表現の自由を犯罪と見なすことへの懸念」を示している。

     バーレーン政府は2012年10月、全てのデモを禁止とした。内務省は「違法な集会には法的措置を取る」と説明した。【ディラーズ(バーレーン北西部)などで田中龍士】

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