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不満爆発、フェンス破壊…ギリシャ・マケドニア国境

ギリシャ・マケドニア国境の鉄製フェンスを破壊する難民ら=ギリシャ北部イドメニ郊外で2016年2月29日、福島良典撮影

 【イドメニ(ギリシャ北部)福島良典】中東などから西欧を目指す難民・移民がギリシャとマケドニアの国境地帯に押し寄せ、緊張が高まっている。2月29日、マケドニア当局の越境制限に抗議する難民らのグループが国境の鉄製フェンスを破壊。マケドニアの警官隊が国境越しにギリシャ側に催涙弾を撃ち込み、現場は一時、騒然となった。国境での足止めに難民の不満が噴出した形だ。

 マケドニアは2月下旬からアフガニスタン人の入国を原則として認めない措置を導入。身分証明書を所持しているシリアやイラクからの難民らの越境についても1日あたり数百人に制限している。このため、ギリシャ側の国境地帯の難民キャンプでは約7000人がテント暮らしをしながら越境許可が出るのを待っている。

 騒ぎが起きたのは29日昼すぎ。線路上の国境で難民らとマケドニアの警官隊がにらみ合った後、十数人の若者が鉄製フェンスの支柱を力ずくで押し倒し、扉をこじ開けた。

 シリア北部アレッポ出身のアドマジンさん(27)は「10〜15日も足止めされ、食料も足らず、凍えている。人間の生活ではない」と不満をぶちまけた。「こんな無慈悲な対応があるか。欧州連合(EU)も見ているだけで、何もしてくれない」

 医療支援団体「国境なき医師団」の診療所には催涙弾で目を痛めた子どもたちがかつぎ込まれた。「アフガン人への越境規制が導入され、イラク人やシリア人は『次は自分たちの番では』と疑心暗鬼になっている」。国境なき医師団のジェマ・ギリーさん(28)が事情を説明する。

 マケドニア側の措置を受け、ギリシャ当局はアフガン人をキャンプから南方に退避させ、国境地帯への殺到に歯止めをかけようとしている。だが、シリアやイラクの難民らは依然、徒歩やタクシーで到着している。

 イラク北部アルビル出身のナズ・ザンゲナさん(44)は2月28日夜、子ども2人らと共に到着した。過激派組織「イスラム国」(IS)が近くの町を制圧したため、1月末に欧州行きを決めた。「ドイツに行って、安全な暮らしを手に入れたい。でも、いつ国境を越えられるのか心配だ」。難民たちは新天地での生活を夢見つつ、不確かな未来に不安をのぞかせている。

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