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車椅子の高校生、感謝の巣立ち…下関

卒業式後、笑顔で語り合う仁田原さん(右)とめぐみさん=山口県下関市で2016年3月1日午後0時49分、仲田力行撮影
卒業式に出席した仁田原裕貴さん=山口県下関市で2016年3月1日午前10時18分、仲田力行撮影

 福岡、山口県内の多くの高校で1日、卒業式が開かれた。山口県下関市の私立早鞆高校(中村芳喜校長)では、卒業生291人の中に、車椅子で式に臨んだ仁田原(にたはら)裕貴さん(18)の姿があった。脳性まひで手足が不自由になったが、「英語の通訳になりたい」と夢を追い続け、卒業を迎えた。「充実した高校生活を送れたのは母や友達、先生たちのおかげです」という感謝を胸に、4月からは大学へ進む。

     生徒と保護者ら約800人が参列した卒業式。卒業生一人一人の名前が読み上げられ、仁田原さんは自分の名前が呼ばれると大きな声で「はい」と答えた。式場の後方で、母めぐみさん(47)が感慨深げに見守っていた。

     仁田原さんは5歳の時、脳性まひと診断された。手足に力が入らず、車椅子が欠かせなくなった。「近くの小学校に行きたい」。息子の小さな願いを聞き、めぐみさんは「特別扱いはこの子のためにならない。障害に負けてほしくない」と決心。小中とも特別支援学級のない学校に通わせた。

     仁田原さんは中学校で英語が得意になり、「いろいろな国の人たちと触れ合いたい」と通訳になることを夢見た。「障害者は人一倍努力しなければいけない。あなたが頑張るなら私も手助けする」。めぐみさんの励ましに押され、大学に行くために早鞆高校への進学を選んだ。

     めぐみさんは毎日、仁田原さんを高校へ送迎した。パート仕事の合間を縫って昼休みも高校に行き、トイレの介助をした。めぐみさんがいない時に仁田原さんがトイレに行きたくなると男性教諭が介助し、段差の移動は同級生たちが車椅子を抱えた。仁田原さんは「最初は不安だったけど、みんなの助けで不安はなくなった」と振り返る。

     仁田原さんは4月から梅光学院大(下関市)に進学する。早鞆高校では過去にも1人、車椅子の卒業生がいたが、大学進学は仁田原さんが初めてだ。中村校長は「明るく学校生活を送り、よく頑張った。朝昼夕と熱心にサポートしたお母さんの姿には頭が下がります」と語る。

     めぐみさんは「周囲の人に支えられ、無事に3年間を終えてよかった。友達や教諭らといい出会いができました」。仁田原さんは「将来は通訳になって、いろいろな国の大勢の人たちと英語で語り合いたい。自分が頑張ることで、障害を抱える後輩たちの手本になりたい」と話し、夢へ一歩近づいたことをかみしめた。【仲田力行】

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