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イラク

ISが犯行声明 テロ相次ぐ 100人以上が死亡

 【カイロ秋山信一】イラクの首都バグダッド周辺で2月28日、爆弾テロや治安機関への襲撃が相次ぎ、100人以上が死亡、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。シーア派を異端視するISは過去1カ月間にイラクとシリアでシーア派の居住区を狙った大規模テロを繰り返している。実効支配地域が縮小する中、首都近辺のシーア派を象徴する場所で大規模テロを起こすことで、影響力を誇示する狙いがあるとみられる。

     ロイター通信によると、29日にもバグダッド北東約80キロのムクダディヤで自爆テロが起き、24人が死亡した。シーア派民兵の葬儀が行われていた。

     28日には、バグダッド北東部のシーア派居住地域サドルシティーでバイクに乗った男が自爆し、さらに、救助のために住民が集まったところで別の男が自爆した。2件の爆発で少なくとも73人が死亡した。

     ISはサドルシティーでのテロの犯行声明で襲撃犯とされる2人の氏名を明かし、シーア派への攻撃を続けると脅した。ISは28日、バグダッド西方のアブグレイブやファルージャ郊外でも治安機関などを襲撃し、警察官ら35人を殺害した。

     最初の攻撃後に人が集まったところで2度目の攻撃を加える手口は「ダブル・タップ」と呼ばれ、ISや国際テロ組織アルカイダの典型的手口だ。同様の攻撃は、1月末と2月21日にシリアの首都ダマスカス南郊のサイダ・ゼイナブ地区でもあり、シーア派民兵ら計191人が死亡した。同地区にはシーア派が神聖視する聖廟(せいびょう)があり、シーア派の重要な参詣地だ。

     ISは昨年12月にイラク・アンバル県の県都ラマディを政府側に奪還され、シリア北部でも米軍主導の有志国連合と連携するクルド人勢力相手に苦戦。有志国連合は「IS支配地域が2015年に約3割縮小した」と主張し、連携勢力と共にイラク北部モスルとシリア北部ラッカの2大拠点を視野に攻勢を強めている。

     一方、イラクでは最近、発足後約1年半で経済や治安を改善できないアバディ内閣に対する不信感が高まっている。シーア派のアバディ首相は不満をかわすために官僚や学者を重用する内閣改造案を打ち出したが、スンニ派やクルド人からは政治力の低下を懸念して反対論が出ている。ISはこうした政治状況も踏まえて、宗派間の分断を図っている模様だ。

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