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「速さ命」テキパキさばく「移動解体処理車」

解体処理車の完成イメージ

NPO法人が開発

 増えすぎて農業被害をもたらしているニホンジカやイノシシなどを、人気の「ジビエ(野生鳥獣の肉)料理」に利用しやすくするため、レストラン経営者らが作るNPO法人が大型獣を捕ったその場でさばける「移動解体処理車」を開発している。食肉として売れるようになればハンターの収入が増え、駆除のための人材確保にもつながるため、農林水産省は普及に向けた支援を検討している。

 野生鳥獣による農業被害は2014年度は全国で191億円に上った。特に、被害が大きいシカとイノシシは年間40万頭以上を捕獲しているが、個体数増加に歯止めはかかっていない。さらに、国内ではハンターが高齢化する一方、収入が確保できないことから若手の参入も少ない。

 このため、切り札として食肉の利用拡大が期待されているが、肉の処理方法が課題だった。野生の鳥獣は捕獲から数時間以内に処理しなければ内臓の臭いがうつってしまうが、捕獲した山間地からふもとの処理加工施設まで搬送に時間がかかるという難点があった。

 そこで、レストランや企業、自治体関係者らが作るNPO法人「日本ジビエ振興協議会」(埼玉県)が大手自動車メーカーなどと、捕獲現場まで移動できる解体処理車の開発に着手した。2トントラックを改造して車内に冷蔵室や作業室を設け、シカであれば一度に最大5頭程度の処理ができる。保健所の営業許可を得たうえで、今年5月に初号車が完成する見通しという。

 この取り組みに注目した農水省は来年度、鳥獣対策の交付金を活用した解体車の購入費への補助を検討している。フランス料理店を営む同協議会の藤木徳彦理事長は「無駄に捨てていた捕獲鳥獣を有効活用できる。ジビエ人気で需要は高まっており、解体車に期待する関係者は多い」と話す。【渡辺諒】

ジビエ

 野生の鳥獣肉を意味するフランス語。最近は国内でもイノシシや野ウサギ、山バトなどを使った料理の人気が高まっている。厚生労働省は2014年にジビエ料理の衛生管理指針を策定した。捕獲した個体が食用に利用される割合は、エゾジカ16%、ニホンジカ5%程度(いずれも14年度)にとどまる。

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