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「令状なし」適法…1審と逆の判断 大阪高裁

判決後、記者会見する主任弁護人の亀石倫子弁護士(左から2人目)ら=大阪市北区の司法記者クラブで2016年3月2日午前10時8分、岡村崇撮影

 裁判所の令状なく捜査対象者の車両にGPS(全地球測位システム)発信器を取り付けた捜査手法を、大阪地裁が「違法」と判断した連続窃盗事件の控訴審判決が2日、大阪高裁であった。横田信之裁判長は、今回の大阪府警のGPS捜査について「重大な違法とは言えない」として、1審とは逆の判断を示した。ただ、懲役5年6月とした1審判決は支持し、被告側の控訴を棄却した。

     GPS捜査を巡る高裁の判断は初めて。

     大阪府門真市の自営業、岩切勝志被告(44)は知人らと共謀し2012〜13年、大阪など6府県で事務所荒らしなどを繰り返し、計約416万円相当の物品を盗んだ窃盗などの罪で起訴された。

     昨年6月の地裁決定は、GPS捜査は令状が必要な「強制処分」に当たると判断。約半年にわたって被告らの車やバイク計19台に無断で発信器を取り付け、行動を監視した大阪府警の捜査を「プライバシーを侵害し、違法」とした。そして、捜査資料の一部を証拠から外した。

     高裁判決は、犯罪の疑いをかけられた被告らが夜間に広く移動し、警察の捜査を警戒していた状況などを踏まえ、「尾行、張り込みだけでなくGPS捜査の必要性が認められる状況だった」と判断し、やむをえない事情があったとした。

     仮にGPS捜査が令状の必要な強制処分だとしても、「令状の要件は満たしていたと考えられる。当時、GPS捜査を強制処分とする司法判断は定着していなかった」と指摘。その上で「警察官らに令状主義を逸脱する意図があったとは認めがたい」とした。

     また、警察官らが機械的に捜査対象車両の位置情報を取得し、過去の位置情報を網羅的に把握した事実は認められず、「プライバシーの侵害の程度は必ずしも大きくない」と判断。ただ、令状なしで捜査に利用したことについて、「違法と解する余地がないわけではない。今回の事件についてみる限り、重大な違法があったとまでは言えない」と言及した。【三上健太郎】

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