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早期発見へ画像メール配信 群馬県警

 愛知県大府市で認知症の男性(当時91歳)が1人で外出して列車にはねられ死亡した事故で、JR東海への損害賠償を家族に命じた2審判決を最高裁が破棄し、家族側の逆転勝訴が確定した。増え続ける認知症の行方不明者を早期発見しようと、群馬県警は1日、「上州くん安全・安心メール」で行方不明者の画像を公表し始めた。【吉田勝】

 県警によると、認知症か認知症の疑いがある行方不明者は2015年、前年比25%増で過去最多の222人に達した。うち6人は発見されていない。

 07年12月に配信を開始した安全・安心メールは、事件事故が発生した際、メールアドレス登録者に一報を送る仕組み。昨年末現在で3万7161人が登録し、昨年の配信件数は1784件。うち行方不明者の手配メールは432件で、メールを端緒に発見されたケースが7件あった。

 これまでは行方不明者の身体的特徴を文言だけで伝えてきたが、県警子ども・女性安全対策課は「警察だけでは、増え続ける認知症行方不明者の捜索に限界がある。より多くの人の協力が必要」として、写真も公開することを決めた。山形県警に次いで全国で2番目という。

 写真は、家族ら届け出人の意向を受けて約1カ月間掲載する。メールに添付したリンク先をクリックすると画像が見られる仕組みで、発見後は削除する。1カ月を過ぎても見つからない場合は、県警のウェブサイトでの公開に切り替える。

 行政側の取り組みも徐々に進んでいる。群馬県高崎市は昨年10月、GPS(全地球測位システム)を使った「はいかい高齢者救援システム」を導入。市内在住の65歳以上を対象に無償でGPSを貸し出すサービスで、貸出数は現在75人。これまで家族からの通報は計9件(8人)あり、最短5分、最長でも46分後に無事発見された。

 高崎市介護保険課の担当者は「徘徊(はいかい)が長時間になると、事故や凍死の危険性も高まる。発見までのスピードが勝負」と話す。歩行能力がある認知症の人は市内で約500人と推計され、今後も貸与数を増やしていく方針という。

 高齢者介護事業や在宅支援活動を展開する高崎市棟高町の認定NPO法人「じゃんけんぽん」の佐塚昌史事務局長は「家族がお年寄りの安全を100%確保しながら介護するには限界がある。最高裁判決は妥当で喜ばしい。徘徊問題解決のためには地域社会の中で情報を共有することは必要不可欠で、県警の取り組みは評価できる。個人情報が犯罪に使われるリスクに対し、適切に情報共有していく仕組みづくりも求められる」と話した。

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