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ラケット補助剤、野放し 日本が危機感

=iStock

 【クアラルンプール田原和宏】卓球のラケットの反発力などを増幅させるとされる「ブースター」という補助剤を巡る問題で、解決の糸口が見いだせない。3日に当地であった国際卓球連盟(ITTF)理事会では日本提案の不正ラケット検査方法の導入案が反対多数で否決された。日本協会の木村興治副会長は「ITTFがルール違反の状態を受け入れている。卓球の信頼が失われることが怖い」と危機感を募らせる。

 卓球のラケットは木製部分の本体にラバーを接着剤で張り合わせる。ラバーはゴムとスポンジ部分から成るが、スポンジ部分に油脂状の溶剤(補助剤)を塗り、ラバーを膨張させることで反発力が高まり、回転や球速が増すという。

 ITTFは2008年北京五輪以降、メーカーが製造したラバーに化学処理などを施すことを禁じるが、卓球関係者によれば検査技術が確立しておらず、野放しというのが実情。元世界ランキング1位のティモ・ボル(ドイツ)もドイツ紙のインタビューで「卓球選手の80%がラケットに不正な処理をしている」と主張。日本も水谷隼(ビーコン・ラボ)が12年に厳格化を求めて国際大会の出場を辞退したこともあった。

 日本は13年から反発力の上限を定めることを求め、金属球をラバーに落として反発力を測定する新検査の導入など独自の提案を続けてきた。今回は製造時に油脂成分をラバー重量の10%以下に規制することや、メダルに絡む準決勝、決勝の出場選手らを対象に試合会場で検査することなどを提案。だが、検査の手続きが煩雑であることやコスト高を理由に否決された。

 ドイツ紙は先月、ドイツの研究者が新たな検査方法を開発したと報じた。ITTFが公認するラバーの弾力や粘度を事前測定し、その数値と比較することで不正を見つけるというものだ。「用具ドーピング」との声も上がるが、ITTFのワイカート会長は日本の提案を含め「検査方法が確立しておらず、解決には時間がかかる」と慎重で、具体的な対策を打ち出せずにいる。

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