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ライフ協会、全事業譲渡で調印

 高齢者の預託金を流用した公益財団法人「日本ライフ協会」(東京都港区)は3日、支援者に決まった一般社団法人「えにしの会」(福岡市)と事業譲渡契約を結んだ。3月中に全事業を譲渡して会員約2600人へのサービスは継続される見通し。大きな区切りを迎えたが、問題の背景には単身の高齢者が病院などに入る際に身元保証を慣習的に求められる実態があり、根本的な解決は道半ばだ。

     事業譲渡後、えにしの会に会員が移行する場合には月会費として5000円かかるという。民事再生法適用の申請を受けていた大阪地裁は同日、保全管理人の森恵一(えいいち)弁護士を管財人に選任。協会は事業譲渡を経て事実上清算される。

     会員の多くは病院などから身元保証を求められて入会した。東京都青梅市の1人暮らしの男性(69)は昨年、検査で肺がんの疑いがあると分かり、手術のために身元保証を引き受けてくれる団体を急いで探した。貯金を取り崩して約165万円を払い、協会と契約した。

     その後の検査結果から手術はとりあえず回避し、経過観察を続けるが、身元保証がなければ手術を受けられない状況に変わりはない。男性は奈良出身で、離れて住む姉妹とは疎遠。検査入院時に緊急連絡先になってくれた友人も5月には故郷の鹿児島に戻る予定だ。今回はえにしの会が身元保証を引き継ぐが、男性は「しゃくし定規に身元保証を求められても困る」と漏らす。

     医師法では正当な理由がなければ診察や治療を拒んではならないと規定し、厚生労働省令も特別養護老人ホームなどの施設について「正当な理由なくサービス提供を拒んではならない」と定める。厚労省は「身元保証人がいないということだけでは(入院などを拒む)正当な理由に当たらない」と説明する。

     だが、公益社団法人「成年後見センター・リーガルサポート」の調査によると、病院や施設の9割以上は身元保証人を求め、いない場合に入院や入所を認めないのは病院で22.6%、施設は30.7%。身元保証人には緊急時の連絡先▽費用の支払いと債務保証▽遺体や遺品の引き取り▽医療行為の同意−−などの役割を求めており、身寄りのない高齢者が協会のような「保証人代行団体」に頼らざるを得ないのが現状だ。

     名古屋市の病院のソーシャルワーカーで保証人問題に取り組む林祐介さん(38)は「病院や施設が身元保証人のいないリスクを受け入れられるかが問われる。誰にでも起こり得る問題で、広く関心を持ってほしい」と訴える。【田口雅士、銭場裕司】

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