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児童虐待

緊急時、役立つのか 相談ダイヤル、煩雑手続き

東京都内から携帯電話で189番にダイヤルした場合の流れ

 児童虐待の通報や子育ての相談がしやすいように昨年7月開設された厚生労働省の「児童相談所(児相)全国共通ダイヤル」189番で、4分の3の電話は児相に接続される前に切られている実態が明らかになった。自治体の多くは音声案内の長さや操作の手間を理由に挙げ、機能不全と指摘する声も出ている。

     岡山、鳥取両県の担当者は「110番や119番のように、すぐつながると想像しているとギャップがある」と話し、広島市の児相の担当者は「音声案内が長く、特に緊急時はイライラして切ってしまう人もいるのではないか。今のままでは緊急の通報先として役割を果たすのが難しい」と語った。

     携帯電話からかけた場合、音声案内に従って郵便番号などの入力が必要で、奈良県、さいたま市児相は「子どもやお年寄りには入力が難しいのではないか」と推測した。

     通話料の負担が影響したとの見方もある。福岡市の児相は「通話が10分を超えることはざらで、すぐ数百円になる。音声案内で料金の説明を聞き、ためらって切ってしまうのでは」とした。千葉県では、児相が通報者とやりとりして被害児童を特定する前に「お金がない」と言って通報者が電話を切ったケースもあった。

     昨年7月の運用開始前は、189番によって児相への電話が急増するとみられ、担当職員を増やした自治体もあった。

     しかし、多くの自治体が「思ったより電話は少ない」「189番によって通報や相談が増えた印象はない」と口をそろえた。

     昨年7月から5カ月間の月別件数を把握していた54自治体中、7月の呼び出し件数が2529件と最多だった大分県によると、通話時間は10秒以下が多く「試しにかけてみる例が多かったのではないか」と推し量った。

     一方、北九州市では、虐待を受けた子どもが189番に自ら電話し、保護された。担当者は「189番は子どもが覚えやすい」と開設効果を実感していた。【黒田阿紗子】

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