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家賃補助継続6割希望 近畿避難者調査

支援縮小を懸念

 毎日新聞と関西学院大災害復興制度研究所などが東日本大震災(2011年3月)で近畿に避難する人を対象にアンケートを実施したところ、約6割が行政に求める支援に「住宅の家賃補助」継続と回答した。無償化された公営住宅に入る人に限ると85%に上った。福島県が昨年、自主避難者への住宅無償化の17年3月打ち切りを発表。岩手、宮城両県も災害公営住宅の整備に伴い、6年目まで無償化を延長する地域を減らすなど、県外避難者への支援縮小が明らかになる中、避難者の多くが危機感を抱いていた。

     調査は毎日新聞と同研究所、避難者支援団体「まるっと西日本」(大阪市)が昨年9〜11月、近畿2府4県への避難者約1800人を対象に質問用紙を配布した。208人から回答があった。回答者の避難元は福島県が最も多く121人、宮城県が35人、岩手県が8人、千葉県や茨城県など7都県からが計44人だった。88人が無償化された住宅に暮らす。福島県の83%(101人)が、17年3月の打ち切り対象となる避難区域外からの自主避難者だった。

     公的支援について、94%(196人)が「必要」と回答。家賃補助継続に続いて多かったのが、健康診断(50%、104人)、移住・定住支援(45%、94人)などで、被災地への帰還支援は10%(21人)だった。

     地震や津波などの被災者は災害救助法の適用を受け、応急仮設住宅を無償で提供される。東日本大震災では、プレハブの応急仮設住宅だけでなく、既存の民間賃貸住宅や公営住宅も「みなし仮設住宅」として活用された。近畿に来た避難者の多くが、親戚・知人宅に加えて、こうした各府県の公営住宅の「みなし仮設住宅」に入居し、家賃は国庫から支払われている。アンケートの回答の中では「住宅支援(家賃補助)を打ち切られたら生活できない。二重生活で経済的に厳しい」(30代女性)などの声があった。

     また、避難したことに対し、5割(104人)に周囲から非難を浴びた経験があった。相手は身内や友人など多岐にわたった。非難を受けたのが兄弟の場合は6割、配偶者の場合は4割が関係が疎遠になったという。10人が離婚していた。放射線を心配して避難したケースでは、放射線に対する意識の違いから、「大げさだ」とか「まだ福島にもどらないのか」と非難されたという。

     就業状態は18%(38人)が正規雇用、非正規が27%(57人)だった。無職(専業主婦を除く)は26%(55人)で、うち4分の1が求職中。「仕事に就く気がしない」という人も6人いた。

     同研究所の山中茂樹顧問(災害復興論)は「原発災害をめぐっては放射線への不安から自主避難しているケースが多く、放射線量が事故前のレベルにまで戻らない中、帰還を急がせるだけの復興政策は誤りだ。避難者は全国各地に散らばっており、国はその実態把握を急ぎ、支援政策を組み直すべきだ」と指摘した。【吉田卓矢、柳楽未来】

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